最も劣悪な環境の1位に上がる
うつ病・生理不順・睡眠障害 等
疾病発生率は一般人より高いが
検診を受けた人は46.2%で最低値
低賃金女性労働者の中でも職務環境・健康状態などが最も劣悪なのはコールセンター女性労働者だという実態調査結果が出た。 食堂・清掃・工場で働く場合より 苦痛を訴える人が多い、いわば女性労働の“どん詰まり”なわけだ。
13日ソウル市と衿川区(クムチョング)が中小業種集約地帯である衿川区の低賃金女性労働者5000人を対象に調査して出した「衿川女性健康管理事業報告書」を見れば、電話相談業務などに従事するコールセンター女性労働者(716人)は労働・夜勤時間など職務環境、うつ病有病率など健康実態まで尋ねた22項目中14項目で“最悪水準”となっている。 特にコールセンターで働く女性の半分以上(51.1%)が精神健康を害する“ハイリスク感情労働”にさらされていた。 10人中3人の割合でうつ病、筋骨格系疾患を病んでおり、19.1%は肥満状態であった。 これは同時に調査した生産職(478人)、販売職(580人)、清掃・食堂(その他含む709人)、事務職(2426人)の女性労働者よりはるかに高い水準だった。
感情労働高危険群の比率は全体平均値より14.6%ポイント、顧客と直接対面する販売職よりも13%ポイント高かった。 感情労働と職務ストレスなどが原因になったうつ病は一般女性の2~3倍の水準だった。 喫煙率(26.0%)、生理不順(20.2%)も他の職群と最高7~24%ポイントの格差を見せた。
コールセンターの業務方式が第一の理由に挙げられる。 コール処理件数により評価等級と賃金が決まり、ほとんどの場合きまった休み時間がない。 セクハラ、言語暴力にもまるっきり無防備でさらされている。 民間業者3ヶ所が500人ほどを雇用して運営するソウル市茶山コールセンターのキム・ヨンア労働組合支部長は「コール処理件数、処理内容に対する事後評価、業務能力テストを主な基準として毎月評価等級が四段階で決められる。 一級ごとに5万ウォンずつ差が付く」と話した。
深層面接に応じたコールセンターの女性8人は主に頭痛、鼻炎、筋骨格系疾患、睡眠障害とうつ病を訴え、換気口、休憩室、年次休暇、評価体系の改善を要求した。 衿川区のあるコールセンターの女性は「月給は悪口雑言を浴びる代償だとして、だまって聞いて我慢しろと言う。 仕事が多い時は昼休みの時間も減らす。 ほとんどみな便秘があり、1年ほど勤めれば5キロずつ太る」と話した。
にもかわらず、最近2年間のコールセンターで働く女性たちの一般検診受診率は46.2%に留まっている。 乳癌・子宮頸部癌検診率もそれぞれ71%、52%に過ぎなかった。 5人中4人(82.2%)が自ら「健康状態が良くない」と診断し、最近1年間に、業務上の疾病で欠勤したことがあるという人も19.7%であった。 コールセンターで働く女性の勤続期間は2年以内で、全体平均値である3.2年よりはるかに短かった。
国内のコールセンター女性労働者は30万~50万人と推算される。 キム・ジョンジン韓国労働社会研究所研究室長は「業務量と賃金が直接連結される抑圧的な労働環境で働いている。 人権死角地帯に置かれていて、正確な数字さえ把握されていない」と話した。
ソウル市茶山コールセンターはこの旧正月連休に3万8000件ほどの苦情や問い合わせを処理した。 一日平均100人余りが仕事をした結果だ。 市は茶山コールセンターの民間委託を続けるか否かを、今年の委託研究を通して検討する方針だ。 また政府事業である「勤労者健康センター」を誘致して来る5月までに衿川区(クムチョング)加山デジタル産業団地に開所することにした。
イム・インテク記者 imit@hani.co.kr