プルトニウム追加生産は困難
高濃縮ウラン使用に重き
ヘッカー博士 "40~80kg生産…
ウラニウム弾1~2個保有 推定"
"プルトニウム・ウラニウム弾 同時実施
水素爆弾 前段階実験" 分析も
北韓が今回3次核実験を行うならばミサイルに載せられる小さく軽い核弾頭を使う可能性が高いと政府は予想している。 また、追加生産が難しいプルトニウムの代わりに高濃縮ウラニウムを使う可能性も高いと見られる。 チョン・スンジョ合同参謀本部議長は6日、国会国防委員会で北韓が原子爆弾より1000倍も威力が大きい水素爆弾の開発に乗り出す可能性もあると話した。
■ミサイル核弾頭 実験するか?
北韓を何回も訪問した核物理学者ジークフリード・ヘッカー博士は5日<連合ニュース>とのインタビューで「北韓が今回核実験を行うのは小型化と軽量化が主な目的」と語った。 国防部も今回の核実験で北韓の第1目標は核兵器をミサイルに載せられる程度に小型軽量化することだと見ている。 ミサイルに搭載された核兵器は最も威力的な武器と評価される。
スカッド-Bミサイルを基準とする時、弾頭の重量は1000㎏、直径90㎝程度が限界だ。 しかし実際にミサイルに搭載される核弾頭の重さは110(米国)~600(中国)㎏程度と軽い。 北韓が核兵器の軽量化に成功するには重さが最大で1000㎏以下でなければならない。 他の国々の初めての核実験での核兵器の重さは通常1300~2200㎏程度であった。 チョン・スンジョ合同参謀議長は国会で「ミサイル搭載は核実験の4年後が一般的なので、北韓の核兵器小型化は相当に進展しているだろう」と話した。
また別のカギは、北韓が軽量核弾頭を開発しても長距離ロケット発射技術とすぐに結合できるかだ。 理論的には人工衛星を発射できれば、大陸間弾道弾(ICBM)も作れる。 しかしヘッカー博士は「大陸間弾道弾を作るためには(大気圏)再進入の技術が必要なので数回はロケットを発射しなければならず、それには5年ほどかかるだろう」と見通した。 今回、北韓が軽量化に成功するならば北韓は5年後には核弾頭を積んだ大陸間弾道弾を米国本土まで撃つこともできるという話だ。
■プルトニウム弾? ウラニウム弾? 水素爆弾?
北韓は今回、高濃縮ウラニウムを使った核実験をすると予想される。 北韓が過去2度の核実験に使ったプルトニウムは保有量が少ないためだ。 北韓は2002年以後、使用済核燃料を再処理し50㎏程度のプルトニウムを生産し、2度の核実験の後に現在40㎏程度を持っているものと推定される。 核兵器1ヶを作るには6㎏のプルトニウムが必要なので北韓は6~7ヶの核爆弾をさらに作ることができる。 問題は北韓が6者会談を通じて2008年に再処理施設を不能化したために短期間にはプルトニウムを追加生産できないという点だ。
代わりに北韓はウラニウム濃縮を利用した核兵器の生産を追求している。 北韓は2010年ヘッカー博士が訪問した時、平安北道(ピョンアンブクド)寧辺(ヨンビョン)にある遠心分離機施設を公開して、2000台あると主張した。 この施設なら1年に高濃縮ウラニウム40㎏を生産することができるので、北韓は現在高濃縮ウラニウム40~80㎏を保有している可能性がある。 高濃縮ウラニウム15~20㎏で核兵器1ヶを作れるので、これは核兵器2~5ヶ分だ。 ヘッカー博士は北韓がすでに高濃縮ウラニウムを利用した核兵器1~2ヶを保有していると推定した。
北韓が「核抑止力を質量的に拡大する」と明らかにしたことを根拠として、水素爆弾を開発するための初期実験を同時に行う可能性も提起された。 チョン・スンジョ合同参謀議長は国会で「北韓が核融合を使う水素爆弾の開発前段階としてブーステッド ウェポン(boosted weapon, 増幅核分裂弾)を実験する可能性も排除しない」と明らかにした。 水素爆弾の前段階実験には相対的に軽いプルトニウム弾を使う可能性が高い。 水素爆弾は原子爆弾の1000倍の威力を持つ。
キム・キュウォン記者 che@hani.co.kr