セヌリ党が朴槿恵当選人の大統領選挙公約を巡り‘公約覆し’に近い態度を見せている。‘公約優先順位による再調整’が必要な側面もあるが、大統領選挙時に大きな関心を集めた公約である上に、朴当選人が‘約束と信頼’をブランドとして掲げているという点で論難が起きるものと見られる。
代表的なのが基礎老齢年金だ。 朴当選者は昨年12月10日、2次大統領選候補テレビ討論会で 「基礎老齢年金を普遍的基礎年金に拡大し、65才(以上)すべての年配者に来年から20万ウォンの基礎年金を差し上げる」と話した。 公約集では今年基礎老齢年金法を基礎年金法に改正すると明らかにした。
だが、党政策委副議長であるナ・ソンニン議員は14日<文化放送>(MBC)ラジオ‘ソン・ソクヒの視線集中’で「大統領選挙公約で‘基礎老齢年金を来年から20万ウォンずつ支給する’と言ったことはない。 ‘65才以上の老人全員に支給する’と言ったことはない」と話した。 ナ議員は<ハンギョレ>との通話では「基礎老齢年金が基礎年金に変われば徐々に20万ウォンまで支給するということだ。 20万ウォンに一気に上げるという言葉はどこにもない」と主張した。 ‘2013年法改正’についても 「2013年から法改正議論を始めるという意」と付け加えた。 また、シム・ジェチョル最高委員は14日最高委員会議で「(予算がなく)公約履行が現実的に難しいが、これを公約への抵抗とか、古い慣行とか、国民の観点ではないということは適切でない」として朴当選者を直接批判するような発言をした。
セヌリ党内でこのように朴当選者の公約履行に難色を示す理由は、関連予算が公約を作った当時に設計したものに比べてはるかに多くかかる状況に直面しているためだ。 現在、所得下位70%の65才以上老人に9万4600ウォンずつ支給している老齢年金を65才以上の老人全員に20万ウォンずつ支給するという朴当選者の公約を履行するために追加される予算を朴当選人側は年間‘3兆6000億ウォン’と捉えた。 しかし保健福祉部は11日業務報告で年間‘9兆ウォン以上’と報告した。 人口増加率に物価上昇分を反映したためだ。 特に老齢年金を国民年金と統合管理するという朴当選者の公約が知らされ世代間葛藤が増幅される憂慮も強まっている。
シム最高委員はこれに先立ち‘満5才まで無償保育’公約を巡っても不満を示した経緯がある。 無償保育は文在寅(ムン・ジェイン)民主統合党候補も同じ公約を掲げて与野党合意で今年の関連予算案を通過させた経緯がある。 シム最高委員は 「所得上位30%層まで(保育が)無料であるべきか。 数千億ウォンにのぼる国民の税金をこのように非効率的に使ってもかまわないのか問わざるをえない」と反発した。
公式選挙運動が終わる約4時間前の昨年12月18日夜、朴当選者が‘びっくりカード’として持ち出した‘軍服務期間18ヶ月へ短縮’公約も党がブレーキをかけるものと見られる。 ある議員は「選挙の最終段階で状況が不利になったようだからと言って即興的に出した公約に過ぎない。 軍服務期間を今よりさらに減らせば予算も膨大にかかり、熟練兵が減り‘安保空白’が生じかねない」と話した。 軍服務18ヶ月短縮時に必要な年間予算としてセヌリ党は‘2500億ウォン’を提示したが、国防部は11日業務報告で‘1兆ウォン’と報告して相当な差を見せた。
チョ・ヘジョン記者 zesty@hani.co.kr