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検事長ら 押しかけて '勇退' 建議…ハン・サンデ "お前たちも辞めろ"怒声

登録:2012-11-30 00:40 修正:2012-11-30 07:56
20日間の‘検察どん詰まりドラマ’再構成
キム・クァンジュン検事 わいろ事件で触発
中央捜査部の反対にも関わらず特任捜査 強行
‘検事セックススキャンダル’報道で衝撃加わる"
29日午前ソウル瑞草区(ソチョグ)の最高検察庁で取材陣が地下駐車場に入るハン・サンデ検察総長の車を撮影している。 キム・テヒョン記者 xogud555@hani.co.kr

 29日午前9時ソウル瑞草洞(ソチョドン)の最高検察庁庁舎8階にある検察総長室。チェ・ジェギョン中央捜査部長を除く最高検察庁検事長級幹部たちがハン総長を訪ねて行った。 彼らは「総長、名誉退陣して下さい」として勇退を建議した。 ハン総長は「そんな話をするならばお前たちも一緒に辞退しろ」と怒声を上げた。 崩れいく大韓民国検察‘どん詰まりドラマ’の頂点だった。 ドラマはある検察幹部の犯罪で開幕した。

 キム・クァンジュン(51)部長検事の金品授受疑惑が表面化した。 警察が現職部長検事の数億ウォン台わいろ疑惑を捜査中という事実が言論報道を通じて知らされたのだ。 ソウル中央地検特捜3部長出身検事が‘捜査もみ消し’の代価として企業からわいろを受け取っていたという事実に検察組織は大きな衝撃を受けた。 しかし、この時点では以後に展開される事態を察知していた人は極まれだった。

 ハン・サンデ総長は足早に特任検事を指名して、キム部長検事事件を直接捜査すると明らかにした。 検事の不正を捜査する史上3番目の特任検事指名だったが、すでに警察が捜査中である事件に手をつけることになり‘横取り’、‘二重捜査’批判が出た。 最高検察庁中央捜査部はこの時、特任検事導入に反対し、警察が捜査するようにしようと言ったという。

ハン・サンデ検察総長と葛藤を生じさせているチェ・ジェギョン最高検察庁中央捜査部長が29日午前ソウル瑞草洞(ソチョドン)の最高検察庁庁舎に出勤している。 キム・テヒョン記者 xogud555@hani.co.kr

 キム・スチャン特任検事チームがキム部長検事を9億7000万ウォンのわいろを受け取った疑いで拘束した。 13人の検事たちで構成された中央捜査部級捜査チームがあげた成果であった。 キム部長検事の拘束で世論の関心も徐々に薄れていきそうだった。

 ソウル東部地検チョン・某(30)検事が女性被疑者と性関係を結んだという事件が火を吹いた。 キム部長検事事件に続くドラマの第2幕だった。 この日ソウル中央地裁で開かれたSK横領事件結審公判では、検事がチェ・テウォン会長に量刑基準上の最低刑量である懲役4年を求刑した。 軽減要素がないのにも関わらずこのような求刑がなされ、検察内外からはチェ会長に対する‘目こぼし求刑’という批判が噴出した。

 最高検察庁の課長らがハン総長が主宰した会議で検察の改革方案を議論した。 この席でハン総長に辞退を要求した人はいなかったという。 しかしハン総長に辞退を建議した最高検察庁高位幹部もいたという。 最高検察庁舎の緊張感が一層高まった。

チェ・テウォン‘目こぼし求刑’指示 確認
‘ハン・サンデ責任論’で論難拡散
自主改革案‘見せ掛け’露見し騒然

 チェ会長に対する目こぼし求刑がハン総長の指示だったという事実が<ハンギョレ>報道で確認された。 わいろ・セックススキャンダル事件で検察が四面楚歌に追い込まれた状況にもかかわらず、ハン総長が無理手を使ったという事実が確認されるや、検察内部掲示板では「言論に報道された内容が事実ならばハン総長も監察を受けなければならない」という主張まで出てきた。 非常識な検事個人の逸脱行為に合わされた議論の焦点がハン総長責任論に拡大した。

 検察掲示板で実名で検察改革を促したユン・テヘ(42)検事が‘私があげた改革案が検察に不利なことではない。 平検事会議を利用してハン総長の検察改革案発表効果を最大化しなければならない’という趣旨で書いた携帯メールが公開された。 自主的に改革案を出すという検察の‘姑息さ’が確認されたのだ。 検察改革を主題に検察庁別に開かれていた平検事会議が凍りついた。 検察の危機意識が絶頂へ駆け上がっていた。

 キム・スチャン特任検事はハン総長を訪問し、キム部長検事わいろ事件捜査結果を報告しながらチェ・ジェギョン中央捜査部長とキム部長検事がやりとりした携帯メールも一緒に報告した。 大学同期であるキム部長検事に言論への対応方式を知らせる内容であり問題がないと判断したが、ひょっとして外部に知られれば悪用される場合があるので気を付けなければならないという趣旨の助言だった。 しかしハン総長はこれを監察本部に渡し監察を指示した。 最高検察庁監察本部が午後6時20分にブリーフィングをすると言うと、キム特任検事はハン総長に電話をかけ「そのような理由で監察をするなら私が辞める」として辞意を表明した。 監察本部のブリーフィングは予定より20分遅れた6時40分から始まったが、その20分間に最高検察庁幹部たちがハン総長を相手に‘仲裁した’。 最高検察庁関係者は「本当に監察するなら他の監察同様に非公開でやりなさい」と要請したが、ハン総長は結局監察事実を公開してしまった。 検察総長と中央捜査部長の葛藤が爆発したのだ。 チェ中央捜査部長は1時間余り後の午後8時に 「監察調査を承服できず適正に対応する」という個人声明を発表した。 ハン総長に対して反撃に出たのだ。 検察関係者は「ハン総長がチェ・テウォン会長に対する目こぼし求刑を指示したという事実をチェ中央捜査部長をはじめとする最高検察庁中央捜査部が言論に流したと見て、ハン総長が感情を害していたようだ」と話した。

‘チェ・ジェギョン監察’指示で葛藤爆発
‘総長辞退論’拡散し連判状が回る
‘昼12時 期限’通牒に "信任伺い"

 夜間にソウル中央地検と水原(スウォン)地検などではハン総長の辞退を要求する連判状が回った。 最高検察庁の検事長級幹部たちがハン総長に勇退を建議したという事実を言論に知らせようとしたが、総長の側近組織である最高検察庁スポークスマン室は動かなかった。 結局、ユン・ソクヨル ソウル中央地検捜査1部長がこれを言論に知らせた。 最高検察庁検事長らの面談以後には次長級の企画官が総長に会い、続けて平検事である研究官が総長室に入って繰り返し辞退を建議した。 最高検察庁舎8階総長室前の廊下には記者たちの接近を防ぐため大きなパーティションが設置された。 ソウル中央地検の部長検事らは 「今日昼12時までに辞退しなければ、我々が訪ねて行き勇退を要求する」として最後通牒をした。 午前中ずっと‘部下’たちの辞退要求に苦しめられたハン総長は結局、午後1時50分頃「30日の改革案発表後に信任を伺うために辞表を提出する予定」という不明瞭な辞意を明らかにした。 キム・テギュ、キム・ジョンピル記者 dokbul@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/563081.html 韓国語原文入力:2012/11/29 20:15
訳J.S(3000字)

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