資金調達方法の決定課程も関心
不動産担保 12億 貸出が可能なのに
イ・サンウン氏に6億借りた理由 疑問
特検、大統領府に‘訪問調査’打診
李明博大統領一家のソウル内谷洞(ネゴクトン)私邸敷地安値買い入れ事件に火が付いた以後、疑惑の核心は大統領夫妻がこの事件にどの程度介入したかであった。
検察はキム・インジョン(67)前大統領府警護処長を事件の‘プランナー’と名指ししたが‘大統領一家に利益を与え国家に損害を負わせようとしたわけではない’という理由で無嫌疑決定を下した。 李大統領夫妻に対しても「キム前処長の疑惑が成立しないため、大統領夫妻を調査する必要性がなかった」と線を引いた。
だが、大統領一家の個人財産が投じられる私邸敷地買い入れ経緯を大統領夫妻が知らなかったということは説得力が無いだけに、特検がこの部分をどの程度糾明できるかが関心事であった。
■ 不動産担保に出した経緯は?
まず特検チームは李大統領の夫人キム・ユンオク(65)氏を相手に、子息イ・シヒョン(34)氏の名前で内谷洞私邸敷地を買いとることにした背景と理由などを訊く計画だ。 検察発表どおり李大統領の名前で買えば地価が上がることを心配してキム前処長が‘借名購入’を建議したのか、あるいは李大統領夫妻が先に提案したのかが糾明されなければならない。 また、土地購入資金の調達方法を誰が提案して決めたのかも特検が明らかにしなければならない点だ。
シヒョン氏は土地購入資金12億ウォンの内、6億ウォンを伯父のイ・サンウン(79)ダース会長に借り、残りの6億ウォンは母親のソウル、ノンヒョン洞の不動産を担保に農協から借りたと明らかにした。 特にシヒョン氏側は<ハンギョレ>とのインタビューで「父親の指示により資金を用意した」と述べたが、キム氏の不動産が担保として提供されただけに大統領夫妻が資金調達方法を議論した可能性が大きい。 ノンヒョン洞の不動産を担保に12億ウォン全額借りられるにも関わらず、あえてイ会長に5%の利子を払い6億ウォンを借りた経緯も釈然としない。
また、最近特検チームはシヒョン氏の口座を追跡してキム氏の最側近ソル・某氏とシヒョン氏間の金銭取引情況も捕捉した。
特検チームはキム・ユンオク氏を調査すると公式に明らかにした5日、大統領府に訪問調査を打診したことが分かった。 これは特検チームが書面調査より直接顔を突き合わせる‘対面調査’を望んでいるということと見られる。 対面調査をしてこそ相手方の返事に合わせて状況変化にともなう質問ができ、答える人の表情等を通して返答に真実性があるかなどを調べられるためだ。
だが、大統領府はキム氏に対する‘調査の必要性自体がない’とトーンを高めており、調査方式を巡って特検チームと大統領府の意見調整が容易ではないと展望される。
■ 李大統領の介入有無はどのように
キム・ユンオク氏を調査する方針を明らかにした特検チームは、李大統領に対する調査の可能性と関連して「今は答えられない」として確答を避けた。 だが、これまでに明らかになった事実だけについてみても、内谷洞私邸敷地買い入れ疑惑の実体を糾明するには、キム氏より李大統領の説明が必要な部分が多い。
特検に先立って行われた検察の捜査結果を見れば、キム前警護処長が‘内谷洞土地140坪を11億2000万ウォン程度で買える’と報告し、これを李大統領が直接承認した。 また、シヒョン氏は検察に出した書面陳述書で‘父親が資金の調達方法を教えた’という趣旨で答えた。 最近の特検調査では私邸敷地の既存建物撤去契約を李大統領の名前で締結しており、撤去費用もやはり李大統領が支払ったことが明らかになった。
だが、現職大統領に対する調査が負担になるだけに特検チームがキム・ユンオク氏に対する調査を通じて李大統領が内谷洞私邸敷地の買い入れに介入した部分を尋ねようとしているという観測も出ている。
ファン・チュンファ記者 sflower@hani.co.kr