チュ・ジェヨプ(57)前ソウル陽川(ヤンチョン)区庁長が国軍保安司令部捜査官時期に拷問を行った事実を否認し、被害者の告発により法廷拘束されるなど軍事政権当時の保安司スパイ捏造に対する被害者の証言が相次いでいる中で、被害者の1人であるク・ミョンソ(61)氏とその家族に国家が17億ウォン余りを賠償しろとの裁判所判決が下された。
ソウル中央地裁民事48部(裁判長イ・スンニョン)は1985年9月、保安司捜査官に連行されてソウル西氷庫(ソビンゴ)対共分室で種々の拷問を受けたあげく‘朝鮮総連工作員に抱き込まれ北韓の指令を受けてスパイ活動をした’という虚偽の自白をした後、獄中生活をしたク氏とその家族に「国家が17億ウォン余を支払え」として原告一部勝訴判決をしたと2日明らかにした。
裁判所は「捜査官らの不法拘禁と苛酷行為などは公務員である捜査官の職務執行過程で起きたことで、一連の不法行為によってク氏と家族が被ることになった損害を国家が賠償する責任がある」と判決理由を説明した。 裁判所は続けて「ク氏は仮釈放され出所した以後、周囲の疑いと非難を受け特別な職業を持てないまま社会的に疎外され、拷問の後遺症で身体障害(5級)を負った」として「公務員らの不法行為に耐え、不安・恐怖・絶望・怒りなどその深さを計りがたいほどの苦痛を味わったことは明らかだ」と話した。
パク・テウ記者 ehot@hani.co.kr