"会社が差し出した数値だけを根拠に整理解雇要件を簡単に認めた"
ソウル地方弁護士会(会長 オ・ウクファン)が労働者23人の死を招いた双龍(サンヨン)自動車の大規模整理解雇事態と関連して、不良判決に対する裁判所の責任を指摘する一方、解雇者らに過度な訴訟を提起した政府を批判して立ち上がった。
ソウル弁護士会は29日ソウル、瑞草洞(ソチョドン)の弁護士会館で記者会見を行い‘双龍車事態特別調査報告書’を発表した。 特別調査は去る7月から100日間にわたり行われた。 報告書は「双龍車の大株主であった上海自動車は双龍車の流動性危機を解決する十分な余力があったにも関わらず、危機解決の代わりに法定管理を申請した」として「裁判所は単純に会社および会計法人が作った数値と報告書だけを根拠に整理解雇の実体的要件を簡単に認定してしまうという過ちを犯した」と明らかにした。
ソウル弁護士会は「2005年1月に双龍車を買収した上海車は2008年11月から財務状態が悪く見えるよう‘損傷差損 計上’したものと推定される」として「だが、裁判所は損傷差損の適正性を綿密に検討しなかった」と指摘した。 損傷差損とは会社の有形資産価値が下がり実際に回収できる金額と帳簿価額の間に生じた差をいう。 損傷差損が大きくなればそれだけ資産価値が下落して負債比率が高まる。
ソウル弁護士会はまた整理解雇事態以後、会社と国家が解雇労働者を相手に提起した過度な訴訟が労働者をより一層窮地に追い詰めていると批判した。 報告書を見れば、会社が双龍車労組と個別労働者に提起した損害賠償請求額は250億ウォン、警察をはじめとする政府が提起した請求額は42億ウォンに達する。 ソウル弁護士会は「実際に損害を補填される可能性がないのに訴訟を維持するならば労組弾圧と報復を目的に訴訟権を乱用しているという批判を免れがたい」と明らかにした。
ソウル弁護士会は去る7月4日、イ・サム ソウル弁護士会人権委員長など15人の弁護士で特別調査団を設け、解雇労働者、会社、警察、会計監理会社などを訪ね調査を進めた。 ソウル弁護士会は「23人の死の前に法曹人の良心からこれ以上沈黙できないという意志で今回の調査が始まった」と説明した。
一方、ノーム・チョムスキー米国マサチューセッツ工大(MIT)名誉教授は、この日民主化のための教授協議会に送った電子メールで「双龍車労働者が解雇されて(警察が)ストライキ参加者に残酷に相対したという消息を聞き、心が安らかでない」として「双龍車労働者の正当な要求がそれに相応しい関心と反応を引き出すことを信じて、また希望する」と明らかにした。
パク・ヒョンチョル記者 fkcool@hani.co.kr