本文に移動

‘ISD再協議’全く音沙汰なし

原文入力:2012/10/04 21:35(1446字)

コストコ 訴訟提起 憂慮高まっているのに
政府では未だ草案も作れず
"FTA賛成者らでTF構成" 批判

 最近国内に進出した多国籍企業らの投資家-国家訴訟制(ISD)提起に対する憂慮が高まっているにも関わらず、昨年政府が約束した再協議は全く音沙汰がない。 すでに米国系私募ファンドであるローンスターが訴訟を提起したのに続き、米国系大型マートのコストコがソウル市の営業日規制を無視して堂々と営業をしていることについても今後強い規制が用意されれば投資家-国家訴訟制を提起することがありうるという憂慮が出てきている。

 このような状況でわが政府は再協議のための案も作れていない状態だ。 4日外交通商部高位関係者は「まだ草案も用意されていない」として「用意され次第、国会に報告し各部署から意見を取りまとめる予定」と話した。

 李明博大統領は昨年11月、韓-米自由貿易協定(FTA)が通過すれば投資家-国家訴訟制などを再交渉すると明らかにした経緯がある。 その後、去る3月15日に韓-米自由貿易協定が発効し、政府は民・官の専門家15人で構成されたタスクフォースチームをスタートさせた。

 また、6月に開いたサービス・投資委員会で米国とわが国政府の立場が整理され次第協議をすることで合意した。 だが、タスクフォースチームが作られて7ヶ月ほどが過ぎたが、未だ草案さえ出せずにいる。

 そのためタスクフォースチームが自由貿易協定賛成論者だけで構成されたという指摘と共に、本来の役割をできていないという批判も提起されている。 このような批判はチーム構成初期から提起されてきた。 実際、多様な専門家や団体からの意見取りまとめがまともになされなかった。 外交通商部がこの日パク・ジュソン議員室に提出した資料を見れば 「一般国民および専門家などからのオンライン意見受付を実施したが、大韓弁協だけから意見が提出された」と明らかにした。

 特に最高裁と法務部など投資家-国家訴訟制が司法主権を傷つけると指摘した政府機関でさえも意見の取りまとめがなかった。 最高裁関係者は「外交通商部から公文書など公式的な要請がなかった」として「現在、国際取引法研究会傘下の国際通商法フォーラムという研究組織を作り研究中である」と話した。 2006年最高裁は韓-米自由貿易協定の投資家-国家訴訟制について「深刻な法的混乱を招くことになる」と憂慮を示した経緯がある。

 これに対してタスクフォースチーム関係者は 「現在、草案作成が仕上げ段階にある」としつつも「政府関係者が参加しての政府側意見聴取はあったが、他の専門家たちの意見取りまとめは不足しているのは事実」と話した。 また、外交通商部関係者は「投資家-国家訴訟制が複雑な問題であるため、多くの検討が必要で時間がかかるだろう」と釈明した。

 これに伴い、草案が出てきても意見の取りまとめ不足などの問題でわが国政府の立場が確立されるまでには、さらに相当の時間がかかると予想される。 また、今後大統領選挙はもちろん新政府がスタートする予定なので、米国との投資家-国家訴訟制再協議はより一層遅れる展望だ。

イ・ジョンフン記者 ljh9242@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/554402.html 訳J.S