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彼らの孤独な叫び・・・「ここに人がいます!」

記事登録2012/04/27 18:01(1988字)

[インフォグラフィック] ひと目で分かる全国闘争事業場

←大きい地図で「ひと目で分かる全国闘争事業場」を見る(本物のインフォグラフィックは文末の韓国語版URLからご覧ください)

 イ・ミョンバク政府が執権したこの4年余りの間、韓国の労働現実は後退を繰り返した。 統計庁の資料を見れば、MB(イ・ミョンバク)政府がスタートした2008年3月当時の非正規職の規模は563万人だったが、昨年8月までで599万人に増えた。 全労働者の50%に達する。 これは単にこの政府だけの問題ではない。 キム・デジュン(金大中)、ノ・ムヒョン(盧武鉉)政府も、IMF以降加速され始めた新自由主義の波に同調したり放置したりして“韓国号”を風浪に任せてしまった。

 労働は暮らしの問題だ。 マスコミの紙面と画面に照らし出される「赤いハチマキをした人々の叫び」は私たちと別の世の中のことではない、日常の出勤途中、家の周辺路地の向い側で起きている現実だ。 <ハンギョレ>デジタルニュース部は、“グーグル地図”を活用してデジタル2次元平面の上にその現実を移し、「ひと目で分かる全国闘争事業場」(闘争事業場)を作った。

 マウスをドラッグして地図を移動することができ、左側上の拡大(+)、縮小(-)ボタンを利用して路地単位まで地図を拡大したり全国規模に縮小したりできる。 青いアイコンはそれぞれのストライキ・紛争事業場を意味し、クリックすればその概要と写真、関連<ハンギョレ>記事、企業のホームページなどが出てくる。

# 参加により完成される疎通型インフォグラフィック

 この「闘争事業場」は未完成のグラフィックだ。 すべての闘争事業場を表示した地図ではない。 民主労総と雇用労働部の資料、マスコミの報道等を通して最大限情報を集めたが、情報が充分でないストライキ現場はひとまず除いた。 現在この地図に含まれている事業場も、今後状況が変化するにつれてアップデートが必要だ。 常に現在進行形のグラフィックであるわけだ。

“参加”により、空白の部分がはじめて完成される。 追加すべき内容(新しいストライキ現場、修正またはアップデートすべき部分)を担当者のメール(sage5th@hani.co.kr)に送ってほしい。 (一定期間が過ぎてからは、使用者が直接修正できるように編集権とソースを公開する予定です。)

# 地図グラフィックで見る韓国の労働現実

 政府が労使問題の調停者役割に目をつぶっている中で、労働組合は現政権において、いつにもまして苛酷な時期を過ごした。 代表的な例が双龍(サンヨン)自動車整理解雇の事態だ。 77日間の玉砕ストライキの後で合意を見た復職約束は履き古した靴のように捨てられ、その間22人の労働者とその家族が世を去った。 この他にも1500日を超えて労働者認定闘争を行なっている才能教育労組と、政府が率先して「年俸7000万ウォン労働者のストライキ」という緋文字を刻みつけた柳成企業労組など、大型の事例が山とある。 サムスン白血病労災闘争、コルト-コルテク復職闘争などまで、主な事業場をグラフィックに収めた。

 政権末期に入って注目される動きは報道機関のストライキだ。 生存権よりは政治権力の言論掌握が争点という面で差があるが、ストライキが自身のことに対する労働者の正当な意思表示であるという点で、一緒に扱い表示した。 <文化放送>(MBC)、<韓国放送>(KBS)、<国民日報>、<聯合ニュース>、 <釜山(プサン)日報> 等、主な報道機関と新聞、通信社が網羅された“編集権闘争”は類例を見出し難い。

 それに加えて、政界と言論などで主要に扱われなかったため、よく知られた現場に比べて一層困難な闘いを継続している事業場がある。 国内最長期闘争事業場であるコーロン亀尾(クミ)工場の解雇者たち、外国系企業である韓国スリーエムの労働者、国立オペラ合唱団の団員たち、新聞用紙製造企業ポウォーターコリアなどがその例だ。

 不当な整理解雇と非正規職差別、労働組合破壊工作と産業災害放置などで苦しめられている労働者の事例はこれよりさらに多い。 安全弁のない無限競争に追い込まれている労働者、という面で、彼らの問題は“大韓民国の99%”の問題でもある。 彼らの存在を空間と時間の中で具体性を持って認識できるように助けることが、このグラフィック記事の目的だ。 また、社会的妥結を生み出す一粒の麦になることを期待する。 この記事は読者の皆さんの参加ではじめて完成される。

文・グラフィック クォン・オソン記者sage5th@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/530266.html 訳A.K