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BTSのグラミー賞「ボイコット」を支持する理由【コラム】

先月19日、米国のニューヨーク・ニュージャージー・スタジアムで開かれた2026FIFA北中米ワールドカップ決勝戦のハーフタイムショーに出演したBTS=ビッグヒットミュージック提供//ハンギョレ新聞社

 「黄色い人に向かってほえるんじゃない!」(Don’t bark at the yellow people!)

 家の前を歩いていて出くわしたおばあさんが、激しくほえる自分の飼い犬に向かってきっぱりと言った。まさか、と思っているうちに彼らとの距離は遠ざかり、対応するタイミングを逃した。2年前、米国ワシントン郊外の静かな住宅街で私が経験した出来事だ。

 もう一つある。風の強い2月のある日のことだった。「近隣住民の方へ」(Dear Neighbor)と書かれた手紙が小さなビニール袋に貼られ、家の前に置かれていた。内容は、私たちが出したごみが隣の家に飛んできたというものだった。袋には見たこともない缶飲料の空き缶や包装紙が入っていた。

 数日後、また手紙が届いた。今度は、私たちの「ごみのかなりの量」が自分たちの家の前で見つかったという。手紙を送ってきた「あなたの近隣住民たち」(Your neighbors)は、「手に負えない量のごみで、多くの近隣住民が管理組合(HOA)に通報することを検討している」と書いていた。ごみはしっかりと包んで出していたので、私たちの家のごみが飛んでいくはずはなかった。

 これが人種差別だとしたら、ずいぶんと奇抜で、手の込んだ低強度のアプローチだと思った。家主に、人種差別が疑われるので監視カメラを設置し、次は法的措置を取ると警告しておいた。数日後、家の前に駐車していたうちの車にもたれかかり、車の窓から点滅する小さな光をのぞき込んでいる人を見つけた。手紙の送り主ではないかと疑っていた「近隣住民」だった。ドライブレコーダーのカメラなのか確認しているようだった。「近隣住民」からの手紙は、それきり届かなくなった。

 2023年のピュー研究所の調査では、アジア系米国人の10人に6人が人種差別を経験したと答えた。昨年の別の調査では、アジア系米国人の回答者の77%が、就職活動や警察との接触、店の利用などで差別を経験したと答えた。それぞれが米国社会で直面した差別の顔は異なっていた。私の場合、犬の飼い主から「黄色」と分類され、ある近隣住民からは秩序を乱す異邦人とみなされた。

 先月、防弾少年団(BTS)がグラミー賞にエントリーしないと表明したことで、地域や言語によって音楽を区分することが多様性の拡大なのか、それとも新たな境界線なのかをめぐる議論に火がついた。グラミー賞が「ベスト・アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンス」部門を新設したことを受けてのことだ。BTSは「音楽が地域や言語によって分け隔てられることなく、ありのままに聴かれ、愛されることを願っている」という意思を示した。グラミー側は、「アジアのポップ音楽パフォーマンスの芸術的な卓越性を認める」ためだったと釈明した。

 論争は、グラミー賞の公式ウェブサイトからBTSのパフォーマンス映像が消えたというニュースへと続いた。時期が時期だけに、ファンの間ではボイコットに対するグラミー側の姑息な「報復」だと受け止められた。グラミー側は、ライセンスの期限が切れたことによる措置だと説明した。

 さまざまな過去の出来事も引き合いに出された。特に、黒人女性として初めてビヨンセが「ベスト・カントリー・アルバム」を受賞した翌年、この賞が「トラディショナル・カントリー」と「コンテンポラリー・カントリー」の2部門に分けられたことが注目された。白人の聴衆が圧倒的に多いカントリー音楽の「正統性」を守るために設けられた仕組みだとの批判も出た。1959年に29部門で始まったグラミー賞が現在の100部門へと拡大するなか、包摂と隔離をめぐる論争は絶えなかった。

 BTSのリーダー、RMは最近のコンサートで「僕たちは僕たちの道を行くだけ。僕たちは韓国で生まれた。だから人々は僕たちを知らない」と歌詞を変えて歌ったという。グラミー賞へのエントリー期限は21日に締め切られ、BTSは申請しなかった。「黄色い異邦人」は、彼らの選択を支持する。

//ハンギョレ新聞社

キム・ジウン|国際ニュースチーム長 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1275069.html韓国語原文入力:2026-08-28 08:51
訳C.M

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