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ソウルの未来は迷走中…高層マンションの狭間の峡谷へと変わっていく漢江【コラム】

ソウル中区の南山タワーから見た龍山公園の用地と漢江=チェ・ヒョンス記者//ハンギョレ新聞社

 ソウルのように素晴らしい場所にある大都市は多くない。美的感覚はそれぞれ異なる。しかし、美しい山とゆったりと流れる川は普遍的に愛される風景だ。北漢山、冠岳山、漢江が調和した構造は「600年の都」独自の長所だ。ニューヨーク、ローマ、パリもこの立地ばかりはソウルの足下にも及ばない。当初、朝鮮の首都漢城は北は北漢山、南は漢江、東は中浪川、西はモレネ(弘済川)が境だった。日帝強占期以降、拡大を続け、南の境だった漢江は真ん中となり、冠岳山が南端となった。

 一度目を閉じて、高層ビルのないソウルを想像してみよう。ソウルの人々がどれほど素晴らしい基盤の上で暮らしているかが少しは感じられるはずだ。謙斎(キョムジェ)チョン・ソン(朝鮮時代後期の代表的な画家)は、住んでいる所から遠くへ行く必要もなく、仁王山、北岳山、漢江を描いた。朝鮮の中宗(チュンジョ)の時代、明からやって来た華察(ファチャル)という名の使者は漢江で舟遊びをしながら周囲の峰々を鑑賞し、「千態万状でギザギザしており、さながら絵のようだった。不足なし」と感嘆した。

 しかし、人が集まり過ぎのソウルは、わずか数十年前とも異なる印象を受ける。そのような中、現在のマンション供給拡大についての政府とソウル市の議論は、今後ソウルがどのように変わっていくかを左右しうる。有名な観光地ともなっているソウルの姿の変化は、国際的にも意味を持つだろう。

 龍山公園の問題だけは、オ・セフン市長が有利な立場に立っているようだ。長きにわたって外国軍(米軍)が駐留していた屈辱の地を、これからは立派な公園にして楽しみたいという市民の熱望が強いからだ。賃貸マンションが建てられると周囲の住宅価格にも良くなく、資産価値を下げるという考えから、宅地開発に反対する人もいるだろう。

 多くの人が反対しても、必要であれば、絶対に正しいならやるべきだ。それこそ真の責任政治だ。実用政府というスローガンは、大義名分には執着しないという宣言でもあるだろう。しかし、首都のど真ん中に大きく美しい公園を持つことが「実用」だと多くの人が言うならばどうするのか。運用の妙を発揮して、政府の言う若者向け賃貸住宅を一部建てることも意味があるだろう。区画を整理し、アクセスや美的価値などの公園の「完結性」と無関係な一部の土地に。しかし、龍山公園の用地を本格的に食い荒らそうとすれば、政治的立場を問わず多くの人々が失望するだろう。

 緑の党の代表にでもなったかのようなオ市長も、話のつじつまが合わない。彼は、ソウルの緑地面積は小さくはないが、外郭の山地の割合が高いため、市民が訪れやすい緑地は少ないと言う。わかりやすい説明だ。しかし、龍山公園以外の不動産問題に関するオ市長の政策や主張は、容積率の引き上げや賃貸住宅の義務比率の縮小など、典型的な所有者中心の論理を示している。

 ここで改めてソウルの輪郭を考えてみよう。すでに高層ビルがソウルの空を狭くしている。スカイラインを飾っていた大小の山々は視界から消え去っている。それでも北漢山、冠岳山、漢江だけは、その存在の巨大さのために簡単には消え去ってはいない。オリンピック大路を走りながら北漢山を眺め、江辺北路を走りながら冠岳山を眺めることができた。今はますます巨大化するマンション群が視界をさらに遮っている。漢江は高層マンションの間の峡谷へと変わっていく。簡単に行きにくいとされるソウルの名山の緑を、せめて遠くから鑑賞する機会すら閉ざされつつあるのだ。眺望権も権利なのに、漢江沿いのマンションの所有者の資産価値と眺望権が拡大する一方で、大多数の市民の眺望権は無視されている。

 建て替えはむしろ住宅価格上昇の火種になるという診断も考慮すれば、誰のための、何のための政策なのかを問わざるを得ない。人々は金がないから買えないのであって、アパートがないから買えないわけではない。漢江周辺にはオ市長派の有権者が多く住んでおり、龍山公園の用地には1人も住んでいないことが、彼の言動に矛盾を生じさせているのかもしれない。

 今回の論争は、中央政府とソウル市が互いに180度異なることを主張して交渉で綱引きを繰り広げるという、異例の様相を呈している。26日にもオ市長とキム・ユンドク国土交通部長官が、まるで停戦交渉の代表にでもなったかのように協議に臨んだが、結論は出せなかった。6月3日の地方選挙で奇跡的に延命に成功したオ市長と、自党の候補が市長になるチャンスを逃した与党が、延長戦を繰り広げているかのようだ。政策に政治と政争が割って入っている間に、ソウルの未来は迷走している。

//ハンギョレ新聞社

イ・ボニョン|全国部長 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1274848.html韓国語原文入力:2026-08-27 05:01
訳D.K

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