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目を背けたい戦争写真と向き合うべき理由【寄稿】

登録:2026-04-01 06:49 修正:2026-04-01 09:57
ソ・スミン | 西江大学新聞放送学科教授
スージー・リンフィールドの著書『The Cruel Radiance: Photography and Political Violence(非情な光:写真と政治的暴力)』の表紙。ポル・ポト政権時代、カンボジアの民間人虐殺直前に撮影された幼い少女の姿//ハンギョレ新聞社

 戦争写真の報道にはああでもないこうでもないという非難が付きものだ。ルワンダのジェノサイドで「裏切り者」という烙印を押された青年の顔に四列に深く刻まれた刀痕を写した米国人写真記者ジェームズ・ナクトウェイ(1948年生まれ)の写真は、あまりにも生々しすぎて見る者のトラウマを引き起こすとして批判された。これに対し、災害や大量虐殺の現場でも人間性と視覚的美しさを捉えてきたブラジルの写真記者セバスチャン・サルガド(1944~2025)の写真は、「悲劇をあまりにも幻想的に描き、感情に訴える」として、正反対の理由で批判を浴びた。

 実は写真というメディアは、20世紀初頭に大衆化して以来、絶えず疑念や冷笑、非難の対象になってきた。ロラン・バルトからベルトルト・ブレヒト、スーザン・ソンタグに至るまで、西洋の批判的な知識人は、写真が感情に訴え、理性を麻痺させるメディアであり、それを見る市民の社会的・公共的な生活に対する理解を妨げていると指摘してきた。

 彼らの批判意識は、現在私たちが報道写真に向き合うときの感情の複雑さとも結びついている。マルチメディア時代のいま、画像が持つ力を否定する人はほとんどいないが、筆者を含む多くの人々は、苦痛や貧困、死を示す画像を見て、センセーショナリズムや盗視症、被写体への礼儀を考え、違和感を覚える。ドローン攻撃が続くとき、写真記者はどこにいて、撮影される民間人はどこにいたのだろうか。停電・断水で死にかけている子どもたちの前でシャッターを切るのは、どんな意味があるのだろうか。それを見る私は、彼らの悲劇が自分に起こらないことに密かに安堵しているのではないか。このような倫理的な違和感は、多くの人々を報道からバラエティへ、そして猫の写真へ逃避するよう誘導する。

 メディア学者のスージー・リンフィールド教授(ニューヨーク大学)は、著書『The Cruel Radiance: Photography and Political Violence(非情な光:写真と政治的暴力)』において、政治的暴力を扱った写真が他者の苦しみを消費するポルノ的窃視症を満たすという批判の裏には、戦争や災害から目を背けたい私たちの心理が映し出されていると指摘する。「ポルノグラフィー」という言葉は他者の性的営みを覗き見る私的領域に由来する一方で、戦争による苦痛の本質は我々が共に責任を負うべき公共の領域にあるため、これを見る行為を窃視症と非難するのは不適切だと、リンフィールド教授は指摘する。

 米国・イスラエルとイランの戦争は1カ月以上続いている。韓国メディアの戦争関連の写真報道は、大きく分けて二つのカテゴリーに限定されている。一つは経済に関するもので、ホルムズ海峡のタンカーやガソリンスタンドの前に車が並んでいる画像(ハンギョレ新聞3月9日付1面)に代表される。二つ目は政治指導者と戦略・戦術を扱った画像、米国とイランの指導者を並べた写真(3月9日付5面)や、コンピューターゲームを彷彿とさせる写真(3月6日付1面)が代表的な事例だ。小学校への爆撃で死亡した数百人の児童たちの集団墓を撮影したドローン写真(3月6日付2面)など、一部例外はあったものの、報道は戦争が朝鮮半島に与える政治・経済的影響に焦点が当てられている。

 ウクライナやガザに続き、相次ぐ戦争に私たち全員が疲労感を覚えている。朝鮮半島に住む人々の苦しみが相対的に大きく感じられるのも当然かもしれない。だが、リンフィールド教授は、戦争の本質を直視することが暴力の歴史と人類の残虐さを理解するために必要な倫理的・政治的行為だと断言する。教授はイラクの作家カナン・マキヤを引用し、「私たちに必要なのは民族解放や人権といった抽象的な概念ではなく、暴力が具体的にどのような形を帯びているのかを知ることだ」と語った。

 2009年、米国のAP通信は、アフガニスタン戦争でタリバンのロケット攻撃を受け、血を流し死亡した海兵隊のジョシュア・バーナード上等兵の最期の姿を収めた写真を全世界に送信した。味方の被害現場を報道しない米国の戦争報道の慣行を破ったのだ。写真が撮られた後、ロバート・ゲイツ国防長官(当時)は、報道機関の社長と編集長に報道の自粛を要請した。何より、バーナード上等兵の遺族も「故人に対して失礼な行為」だとして、写真の掲載に強く反対した。

 しかし、AP通信は彼らの反発にもかかわらず、写真を掲載した。イラクとアフガニスタンへの侵攻から10年、米軍の死者だけでも5千人を超える状況の中で、戦争の惨状を即座に示す方を選んだのだ。「バーナード上等兵の父親の悲しみはお察しします。ですが、この写真は戦争の歴史です。彼の物語と写真を報じるのは、彼の犠牲を尊重し認める私たちの決定です」

//ハンギョレ新聞社
ソ・スミン | 西江大学新聞放送学科教授(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1251825.html韓国語原文入力: 2026-03-31 07:02
訳H.J

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