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石破首相の前にある「3つの坂」【特派員コラム】

登録:2025-02-14 07:43 修正:2025-02-14 09:48
日本の石破茂首相が先月、国会で政策演説を準備している/AP・聯合ニュース

 東京の千代田区永田町は「政治の1丁目」と呼ばれる。韓国で言えば「汝矣島(ヨイド)」のような場所だ。江戸時代(1603~1867年)の最高実力者だった将軍の護衛武士団を指す「旗本」の「永田」という姓の家の邸宅が並んでいたことに由来するという。日本政治の代名詞となったのは、1936年にそこに国会議事堂が建てられてからだ。現在では、総理官邸や自民党・立憲民主党などの主要政党の本部が集まっている。永田町を中心に東側の霞が関には、総務省や財務省などの政府省庁や、最高検察庁や警視庁などの主要官庁がある。北側の隼町には最高裁判所がある。日本社会は永田町を中心に動くといっても過言ではない。

 永田町には「坂(さか)」が3つあると言われている。「上り坂」「下り坂」そして「まさか」だ。政治家には浮き沈みがあるが、そのなかでも「まさか」と思うような予想外の出来事が起きるということだ。

 最近の永田町では、石破茂首相にこの言葉が当てはまりそうだ。石破首相は1986年、29歳という最年少の年齢で衆議院に当選し、政界に「華々しくデビュー」した。鳥取県知事、参議院議員、政府閣僚を務めた父親の二朗氏の選挙区を引き継ぎ、「頂点」から政治を始めた。昨年には、5回目の挑戦となった自民党総裁選での劇的な勝利によって、日本の首相の座にまで登りつめた。

 頂点で直面したのは下り坂だった。石破政権は昨年の発足と同時に、歴代政権の就任直後の支持率の最低記録を連日更新した。1カ月後の衆議院選挙では、連立与党の公明党とともに国会の過半数を失った。“石破政策”を打ち出せもしないうちに「ポスト石破」の声が上がった。「歴代最短の首相在任記録」(54日)を更新する可能性も出てきた。国会ではキャスティングボートを握った少数野党の国民民主党に主導権を奪われ、引きずられていく状態が続いた。

 7日(現地時間)に米国ワシントンで開かれた日米首脳会談は、久しぶりに下り坂を脱する機会だった。「初心者の首相がトランプを相手できるのか」という懸念があったが、会談後は野党からも「一定の成果を上げた」というまずまずの評価を受けた。一部では「あまり期待されていなかったので、成果が大きいように見えている」という酷評もあった。それでも11日のNHKによると、40%を下回っていた内閣支持率は、首脳会談後に40%台半ばまで上昇した。

 一息ついたが、永田町の各所には「まさか」が隠れている。なにより、15年ぶりに少数与党に転落した自民党を相手に、野党が予算案通過を阻止した場合、政局運営の致命傷を負うことになる。議席の過半数を占める野党の全党が固く団結し、内閣不信任案を可決させる可能性もある。政権は内閣総辞職か早期の選挙を決断しなければならない。7月には参議院選も予定されている。昨年の衆議院選で惨敗した石破首相が、今年春のうちに支持率を引き上げることができない場合、参議院選を戦うこともできずに首相の座を退く可能性がある。トランプ大統領を相手に「善戦」した石破首相は、今度は日本の野党議員と有権者に向けて全力を注がなければならない状況にある。

ホン・ソクジェ|東京特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1182299.html韓国語原文入力:2025-02-13 19:03
訳M.S

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