「12・3内乱事態」後初めて対面した韓日外相は「いかなる状況においても韓日関係を揺るぎなく発展させていく」というメッセージを発信した。
チョ・テヨル外交部長官と岩屋毅外相は13日、ソウル世宗路(セジョンノ)の外交部庁舎で会談し、今年で国交正常化60年を迎える両国関係の発展をはじめ、国際情勢について話し合った。今月6日にアントニー・ブリンケン米国務長官が訪韓して開催された韓米外相会談に続いて行われた今回の会談を通じて、政府は国内政治の混乱の中でも韓国外交が作動しているというシグナルを強調している。
両長官は、米国の第2次トランプ政権の発足で国際情勢の不確実性が高まった状況で、韓日が共同で対処し、韓米日協力も継続していくことでコンセンサスを得たものとみられる。
この日の会談後の共同記者会見で、チョ長官は「韓日両国は自由、人権、法治などの普遍的価値を共有する身近な隣人」だとし、「韓国の対日外交政策の基調は今後も変わらず維持されると明確にした」と強調した。岩屋外相も「日韓両国は国際社会の様々な課題の対応においてパートナーとして協力しなければならない重要な隣国」だとし、「現在の戦略環境のもと、両国関係の重要性はよりいっそう大きくなった」と話した。
20日に行われるドナルド・トランプ大統領の就任式に出席する予定の岩屋外相は、トランプ側に韓米日3カ国協力の重要性を伝えるとの考えを公に明らかにした。「米大統領就任式に出席する方向で調整している」とした岩屋外相は「その際に日韓米の戦略的連携がこれまでになく重要だということを(米国の)新政権側にしっかりと伝えてきたい」と強調した。また、「可能であればマルコ・ルビオ国務長官候補との日米外相会議を行い、日米韓協力の重要性に対する認識を一致させたい」と述べた。
今回の会談では、佐渡鉱山の追悼式問題をはじめとする韓日の歴史問題懸案も議題になったが、両者は各自の原則的な立場を改めて強調した。昨年末、日本側の誠意が見られずぎくしゃくした「佐渡島の金山」追悼式問題と関連して、チョ長官は「追悼式問題は犠牲者を心から悼み、今後歴史的意味を記憶する行事になるよう、日本側と真摯かつ率直に協議していくことで一致し、われわれが考える様々な懸念事項を明確に伝えた」と述べた。岩屋外相は「(佐渡鉱山の事案は)チョ長官が一方的に譲歩したわけでは全くない」とし「日本政府としては、今後も世界遺産委員会の決議に沿って韓国政府とコミュニケーションを継続していくつもりだ」と述べた。
双方は、今年で韓日国交正常化から60年を迎えるにあたり、両国間の記念事業の推進に引き続き協力していくことを確認した。北朝鮮の核・ミサイル挑発と北朝鮮軍のロシア派兵などの朝ロ軍事協力についても懸念を表し、即刻中止を求めた。
一方、岩屋外相はこの日、入国直後の最初の日程で国立ソウル顕忠院を訪れた。日本の外相が顕忠院を訪問したのは、2018年4月の河野太郎外相以来。外交筋によると、日本側が先に岩屋外相の訪韓と顕忠院訪問を提案したという。韓日外相が会談後に共同記者会見を行ったのも、2011年10月のキム・ソンファン長官と玄葉光一郎外相の記者会見以来14年ぶりのことだ。
日本が岩屋外相の訪韓日程で「誠意」ある姿勢を示し、意味付けをしたのは、第2次トランプ政権発足などの情勢の急変の中で韓国の外交が動揺することは日本にとっても負担になるという判断のもと、韓日協力を後押しするためと解釈される。韓日国交正常化60年を迎え、当初は石破茂首相の今月の訪韓が進められていたが、12・3内乱事態で取り消されるなど、韓日首脳外交にも支障が生じている。
岩屋外相はこの日、国会を訪問し、ウ・ウォンシク国会議長を表敬訪問したのに続き、14日にはチェ・サンモク大統領権限代行副首相兼企画財政部長官を表敬訪問する。