今年の冬は比較的穏やかな天気が続いた。非常に暑かった昨年の夏や気候変動を考えると、当然のことだと思えるだろう。しかし、ここ数日は立春を迎えた後にもかかわらず、韓国全土で厳しい寒さが猛威を振るっている。地球の平均気温は着実に上昇しているが、特定のエリアでの冬の寒波はむしろ強くなる、矛盾した現象が観測されている。
このような現象は「北極温暖化増幅」と密接な関連がある。これは、北極地域での温暖化がはるかに速く進行している現象を意味する。北極の気温上昇は地球の平均より2~4倍速いことが観測されており、これはさまざまな気候の要素の相互作用によって強化されている。気温上昇で海氷が溶けてさらに広がった海水面はより多くの熱を吸収し、それによって海氷がさらに減少する悪循環が生じている。海に浮かんでいる海氷は太陽光を反射せず、太陽光を吸収するからだ。熱くなった海からはより多くの蒸発が発生し、大気中に追加された水蒸気は温暖化を加速する。
ジェット気流は、冬季に北側の冷たい空気を隔離するエアカーテンの役割を果たす。ジェット気流の速度は、北極と中緯度の温度差によって決定される。ジェット気流が弱まり流れが不規則になると、冷たい空気が南に容易に広がるルートが開かれる。ユーラシア大陸や北米大陸には寒気が供給され、大陸性高気圧がさらに強化されることになる。これを指して「暖かい北極・冷たい大陸」現象という。温暖化によって北極が急速に加熱され、大陸は逆に冷たくなるというアイロニーだ。特に、韓国の冬の気候の主な決定要因の一つであるシベリア高気圧は、スカンジナビア半島の東側にある「バレンツ海・カラ海」の水温と密接な関連があることが知られている。言い換えると、その海の水温が上昇するとシベリア高気圧が強化され、朝鮮半島に寒波が発生するということだ。
韓国の冬の寒波はラニーニャ現象とも関連性が強い。例えば、2010年、2011年、2017年には、強いラニーニャによって厳しい寒さが押し寄せてきた。ラニーニャが発生すると、熱帯の太平洋西部の海水面の温度が上昇し、大気には強い対流活動が発生する。これは、遠く離れた東アジアの上空に下降気流を誘導し、シベリア高気圧を強化する傾向を示す。同時に、熱帯と中緯度の温度差が広がり、ジェット気流が南に偏る傾向が発生する。すなわち、北極の冷たい空気がより容易に南下できる寒波の発生条件を満たすことになるのだ。
このようにして、韓国の冬の気候は、さまざまな現象が重なって発生する。問題は、これらの変動性がバラバラだということだ。北極温暖化増幅は数十年にわたり北極の温度が徐々に上昇する現象であり、ラニーニャは数年の周期で繰り返される現象であり、「暖かい北極・冷たい大陸」現象には大気の季節的要素が大きく作用する。言い換えると、冬季の温度は着実に上昇しているが、それぞれ異なる周期の現象がどのように重なるのかによって、急性の寒波が発生する余地はいくらでも存在するということだ。
気候変動は韓国の冬の風景を変化させている。しかし、温暖化によって寒波が消えるのではなく、むしろ強力な寒波が断続的に発生するのが現在の現実だ。他の気候災害のように、寒波も韓国社会に深刻な影響を及ぼす。呼吸器系や心脳血管系の疾患による死亡率が増え、エネルギー消費が増加し、電力需給問題が発生し、水道管や道路の凍結などによる社会的コストも急増する。気候リスクを最小化するためには、寒波が気候変動を否定する証拠ではなく、気候変動の強力な信号だという科学的事実に注目し、それにともなう社会的・経済的対応の戦略を立てることが重要であるという事実を忘れてはならない。
キム・ヒョンジュン|KAISTムンスル未来戦略大学院教授 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )