韓国の第1四半期の合計特殊出生率が0.76まで低下した。第1四半期の最低水準だ。このような傾向が続けば、今年の合計特殊出生率は0.6台に落ち込むと予測される。昨年の出生数は23万人で、これは2012年(48万人)の半分以下だ。1992年(73万人)と比較すると3分の1の水準にすぎない。「人口絶壁」という言葉では深刻さを表現できないほどだ。「国家の非常事態」だ。
実際のところ、少子化は現代だけの問題ではない。洋の東西を問わず、国家が出生率の向上に乗り出したことは、歴史的な記録にも残っている。
朝鮮前期の『経国大典』には女性の婚姻を奨励する規定があった。「士族(両班家)の娘で年齢が30歳に近づくのにもかかわらず、貧しくて嫁に行くことのできない者には、礼曹から王に申し上げ、資材(物品)を算出して与える」 「窮乏していないにもかかわらず嫁入りができなかった場合には、家長を厳重に罰する」とされている。朝鮮末期の『大典会通』には「婚姻の時期を過ぎた事例を2年ごとに調査し、監営および村で告げる」という記述がある。婚姻の奨励の対象を両班家から一般の百姓にまで拡大しただけでなく、2年ごとに定期的な管理まで行ったわけだ。
西洋ではローマ時代に強制結婚・出産に関する法律があった。紀元前1世紀末に人口が減少すると、アウグストゥス帝は結婚と出産をしない者に不利益を与える「正式な婚姻に関する法」を作った。未婚者には独身税を課し、未婚で30歳を越えれば選挙権を剥奪した。独身で50歳を越える場合は、相続権を剥奪するのはもちろん、財産まで没収した。公職の進出時は多子既婚者に優先権を与えた。
現代人の観点では、結婚と出産に対する朝鮮とローマの国家介入は、私的自由を侵害する深刻な越権だ。しかし、最近の韓国の地方自治体や国策研究機関が出した少子化対策はこれを凌駕しており、あきれるほどだ。
韓国租税財政研究院は、少子化の解決のために「女性を1年早期入学させよう」と主張して物議を醸し、ソウル市は、追加補正予算の中に「精管・卵管復元手術費用支援」を含め、ひんしゅくを買った。あるソウル市議員は、括約筋を引き締めるケーゲル運動と体操を組み合わせた「国民デンジョ(ダンス+体操)」を、少子化高齢社会委員会は「無料未婚男女出会い支援」を対策気取りで打ちだし、非難を受けた。効果も疑わしいだけでなく、一部の対策からは、女性の体を手段化する低劣な認識までうかがえる。「荒唐無稽な対策」のために国民の不信と冷笑だけが強まり、むしろ国家消滅が前倒しされている。