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[社説]韓国最大野党代表は令状審査に堂々と臨み、党の分裂を防ぐべき

登録:2023-09-22 06:29 修正:2023-09-22 10:49
21日、国会本会議でキム・ジンピョ議長が共に民主党のイ・ジェミョン代表の逮捕同意案の可決を宣言している/聯合ニュース

 韓国の国会が21日、柏ヒョン洞(ペクヒョンドン)開発事業の背任とサンバンウルグループの北朝鮮送金疑惑などの疑いで拘束令状が請求された野党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表に対する逮捕同意案を、賛成149票、反対136票、棄権6票、無効4票で可決した。可決定足数の出席過半数(295人のうち148人)より1票多い。投票に参加した民主党の議員が167人であることを考えると、30票以上が賛成か棄権、無効に回ったわけだ。イ代表は裁判所が指定した日付に出席し、拘束前の被疑者尋問(令状実質審査)を受けることになる。民主党は内紛の収拾という最大課題に直面することになった。

 最大野党の代表に対する捜査を1年半以上続けてきた検察は「政治目的の捜査」という指摘を免れないだろう。逃走の恐れのない最大野党の代表に対し拘束令状を請求したうえ、時期も会期中に合わせて民主党の内紛を誘導しようとした点などは疑念を抱かせるのに十分だ。在宅起訴して裁判所で容疑事実を争った後、判決を待つのが正道だった。

 しかし、当初否決が予想されていたにもかかわらず、一転して逮捕同意案が可決されたのは、イ代表が原因を提供した側面もある。イ代表は6月19日、交渉団体代表演説で「不逮捕特権の放棄」を宣言し「令状が請求されれば自ら出席し審査を受ける」と述べた。「(不逮捕特権という)防弾フレーム」をかぶせることで、最大野党を締め付けようとした尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権と検察に立ち向かい、正面突破する意志を明らかにしたものとして受け止められていた。イ代表は当時も「非道な検察の政治目的の捜査」だと批判した。当時と今とでは、状況は変わっていない。今回、その約束を堂々と守っていたなら、国民から拍手が送られただろう。だが、イ代表は表決前日、ソーシャルメディアに文を載せ、事実上否決への協力を訴えた。この「否決の訴え」により、22日間続くハンガーストライキも「結局、不逮捕のためのハンガーストライキなのではないか」という非難を免れなくなった。

 しかし、逮捕同意案の可決が直ちに拘束を意味するわけではない。また、検察の捜査に同意するという意味でもない。むしろ令状実質審査を容疑の不当性を立証する機会にすることもできる。民主党とイ代表が国民の信頼を得られる形で検察の「政治目的の捜査」に対応し、党の未来を切り開くことを望む。

 何よりも党の分裂を防がなければならない。突然の結果に支持者たちは大きな衝撃を受けている。賛成あるいは棄権票を投じた議員たちを探し出し、報復するという人々をなだめなければならない。一部の人々が彼らを煽って政治的利益を図ったり、互いに相手のせいにして争ったりする姿を見せれば、国民は大いに失望するだろう。民主党とイ代表は、イ代表個人の司法的運命と党の未来を結び付けてはならない。今、民主党が最も力を入れるべきなのは、尹錫悦政権の暴走を防ぐために野党としての役割を果たすことだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1109579.html韓国語原文入力:2023-09-22 02:41
訳H.J

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