本文に移動

[社説]尹大統領は義母の法廷拘束について国民にきちんと釈明・謝罪せよ

登録:2023-07-24 01:25 修正:2023-07-24 06:14
尹錫悦大統領の義母、チェ・ウンスン被告(中央)が21日、京畿道議政府市佳陵洞の議政府地方裁判所で、通帳残高証明偽造などの容疑に関連した控訴審裁判のため、法廷に移動している/聯合ニュース

 数百億ウォンの銀行残高証明書を偽造した疑いで起訴された尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の義母、チェ・ウンスン被告が21日、控訴審宣告公判で懲役1年を言い渡され、法廷拘束された。1審に続き2審でも有罪が認められたうえ、「罪質が悪く逃走の恐れもある」という理由で、その場で拘束されたのだ。現職大統領の義母が拘束されたのは初めての出来事だ。にもかかわらず、大統領室は沈黙を守った。大統領選挙の過程でも争点になった家族の犯罪事実が裁判所で繰り返し認められたにもかかわらず、何の言及もしないのは国民を無視する態度だ。

 チェ被告は2013年、京畿道城南市島村洞(トチョンドン)の土地を買い入れる過程で4回にわたって349億ウォン(約38億4千万円)の残高証明書を偽造した容疑、島村洞の土地関連訴訟で100億ウォン(約11億円)の偽造残高証明書を裁判所に提出した容疑、この不動産を借名で所有した容疑などがすべて認められた。裁判所は「自分の利益を追求することに傾倒したあまり、法と制度、人が手段化された」と指摘した。

 大統領の家族が犯罪を犯したのは決して只事ではない。なのに、尹大統領は家族関連疑惑に対して率直な態度で国民の前で釈明したことがない。大統領選挙当時「義母が詐欺にあったことはあっても、誰かに10ウォンたりとも被害を及ぼしたことはない」という尹大統領の発言が物議を醸したこともあった。この事件の1審有罪判決が出た後も「司法府の判決に対して立場を表明するのは適切ではない」として、他人事のような発言をしただけだ。検察総長時代には最高検察庁がチェ被告の様々な犯罪疑惑を庇護するいわゆる「義母文書」まで作り、チェ被告を残高証明書偽造事件の被害者として言及したりもした。尹大統領は結果的に国民を欺き、公的機関を私的に利用した責任を免れない。

 尹大統領夫人の親族をめぐる犯罪疑惑はこれにとどまらない。尹大統領夫人の親族の会社が京畿道楊平(ヤンピョン)の孔興(コンフン)地区開発過程で特恵を受けた事実が明らかになり、義弟が起訴された。同社の代表だったチェ被告は書面調査を1回受けただけで起訴されず、「忖度捜査」という批判の声もあがった。最近は、ソウルと楊平(ヤンピョン)を結ぶ高速道路の路線を夫人の親族所有の土地がある方に変更しようとしたという疑惑が持ちあがっている。キム・ゴンヒ女史のドイツモーターズ株価操作関与疑惑の捜査は依然として足踏み状態だ。

 このように多くの疑惑が持ちあがり、このうち一部は有罪判決まで出た状況なら、国民に最小限の釈明と謝罪をするのが常識的な大統領の行動だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1101367.html韓国語原文入力:2023-07-23 22:57
訳H.J

関連記事