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[社説]「開発特恵疑惑」大統領の義母を書面調査、不送致とした韓国警察

登録:2023-05-15 02:06 修正:2023-05-15 08:03
警察が2021年12月30日、尹錫悦大統領の妻の実家に関する疑惑を捜査するため、京畿道楊平郡庁で公興地区開発事業に関する資料を押収している/聯合ニュース

 尹錫悦大統領の妻の実家が株を100%所有している開発事業施行会社による京畿道楊平(キョンギド・ヤンピョン)の公興(コンフン)地区開発特恵疑惑を捜査してきた警察が、尹大統領の義弟だけを送検し、義母のチェ・ウンスン氏は不送致とすることを決めた。同社は2011~2016年にマンション開発事業で800億ウォン相当の売上を上げていたことが分かっているが、これによる開発負担金を一銭も払っていなかった。警察は同社が工事費を水増しするなどして楊平郡に虚偽の資料を提出したと結論付けた。しかし、同社の設立者であり代表取締役だったチェ氏については、2014年11月に代表取締役を辞任しているとの理由で、事業に直接関与した情況がないと判断した。チェ氏は書面調査を一度受けるにとどまっている。

 警察は、開発事業の竣工期限を1年半も過ぎてから遡及延長した楊平郡の3人の公務員も送検している。その一方で、特恵を与える意図はなかったと判断している。開発負担金0ウォン算定や事業期間の遡及延長のような明白な特恵が、第一線の公務員らの業務の未熟さのせいだったとか、苦情を懸念したためだったとは、常識的には考えられない。そもそもこの事件が注目されるようになったのは、尹大統領の妻の実家と楊平郡の癒着疑惑のためだった。しかし警察は、このような疑惑は明らかにできないまま、当時楊平郡守だった国民の力のキム・ソンギョ議員も書面調査の末、不送致を決めた。

 尹大統領の就任式にこの事件を捜査する警察の幹部が招待され、物議を醸したことがある。捜査の過程と結果も納得しがたい部分がいくつもある。遅々として進まないキム・ゴンヒ女史の株価操作疑惑の捜査とともに、今回の結果は執拗に続く野党に対する捜査とは明らかな対比をなす。これでは捜査の公正さに対する信頼が損なわれるばかりだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1091704.html韓国語原文入力:2023-05-14 18:05
訳D.K

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