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[社説]さらに拍車がかかった家計負債増加、百薬も無効か

登録:2021-08-13 03:21 修正:2021-08-13 08:49

 家計負債の増加を抑制するために数々の対策が動員されてきたものの、増加の勢いは依然衰えを見せていない。7月にはその勢いはさらに増した。これ以上放置してはならない状況だが、ほかに方法がないなら、韓国銀行は基準金利の引き上げに踏み切らざるを得ないだろう。金融不均衡に対する懸念を繰り返し表明してきた韓銀が家計負債リスクをどのように判断しており、今後基準金利をどのように運営していくのか、韓銀はより明確な態度を取るべき時だ。

 11日の韓銀の発表によると、7月末の家計負債の銀行残高は1040兆2000億ウォン(約98兆6000億円)と、1カ月で9兆7000億ウォン(約9190億円)増加した。これは7月の増加額としては2004年の統計作成開始以降、最も大きな幅だ。公募株の応募のための融資が含まれているその他の融資の増加幅(7兆7000億ウォン、約7300億円)が6月の3兆9000億ウォン(約3700億円)より大きいということもあるが、住宅関連融資の増加幅が6兆1000億ウォン(約5780億円)と、前月(5兆1000億ウォン、約4830億円)より増えたことが大きな影響を与えている。

 金融当局は7月から、借り主ごとの総負債元利金返済比率(DSR)規制で融資を抑制しているが、これだけでは不十分だった。ノンバンクを含めた金融全体の家計融資が15兆2000億ウォン(約1兆4400億円)増加したのを見れば、「風船効果」があったことになる。元利金を返すためにさらに借金をしている家計も少なくないだろう。

 家計負債リスクに対する警告はかなり前から始まっているが、家計負債の伸び率や仮処分所得に対する家計負債比率がさらに急激に上昇し始めたのは、新型コロナウイルスの拡大に対応するため昨年上半期に基準金利を大幅に引き下げてからだ。コロナ禍が終わったわけではないが、金融システムに問題が生じるリスクが大きいなら、通貨政策の方向を早急に転換すべきだ。家計負債に対する警告が頻繁になりすぎて慣れを生み、かえってその効果が薄れることになってしまえば、本当に大変なことになる。

 家計負債の増加は、依然として不動産価格の上昇と密接につながっている。基準金利を0.25ポイントずつ1、2回引き上げるだけでは流れを変えるのは難しいとの懸念は大きい。金融監督当局と経済省庁が有機的に動くべきだ。それと同時に、コロナで苦しんでいる脆弱階層の金利引き上げに伴う負担を軽減する対策を打ち出すべきなのは言うまでもない。(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1007500.html韓国語原文入力:2021-08-12 18:41
訳D.K

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