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[社説]官民協力の「K-半導体戦略」、危機突破が期待される

登録:2021-05-15 06:23 修正:2021-05-15 07:12
文在寅大統領が13日午後、京畿道平沢市のサムスン電子平沢団地の第3ライン建設現場に用意された野外ステージで行われた「K-半導体戦略報告」で演説している=平沢/聯合ニュース

 政府は13日、「半導体強国」の実現を目標に、研究開発および施設投資への税額控除の拡大などが盛り込まれた「K-半導体戦略」を打ち出した。半導体の覇権をめぐる米中の競争に効果的に対応し、半導体産業の競争力を強化するために、官民が共同対応戦略を設けたのは喜ばしいことだ。メモリ分野の世界1位の座をより強固にし、「非メモリー半導体」分野の競争力も迅速に引き上げる土台になることを願う。

 政府は、サムスン電子の平沢(ピョンテク)工場で文在寅(ムン・ジェイン)大統領とサムスンやSKなどが参加するなか、「K-半導体戦略報告大会」を開いた。最も目立った点は、研究開発と施設投資への税額控除をそれぞれ最大50%、20%にまで増やしたことだ。さらに、大学定員の拡大などにより、今後10年間に半導体に関わる人材を3万6000人育成することにした。業界がこれまで最も望んできた内容であるだけに、競争力強化につながることを期待する。

 半導体は韓国の輸出の20%を占める。9年続けて輸出1位である“親孝行産業”だ。「産業の米」と呼ばれてきた半導体は、最近は戦略武器として浮上し、企業を越え国家間の競争に飛び火している。特に米中の半導体覇権競争は、私たちとしては危機であると同時に機会でもある。

 米国政府は先月に続き、20日にサムスン電子などのグローバル半導体企業を呼び「第2回半導体首脳会議」を開き、投資を再び圧迫する姿勢だ。韓米首脳会談でも主要な議題として扱われる可能性が高い。そうであるほど、官民の緊密な協力が必要不可欠だ。企業は今後10年間で合計510兆ウォン(約50兆円)となる投資計画で政府の支援に応じた。文大統領も「企業と一心同体になる」と述べた。

 半導体の競争力強化は大企業単独ではできない。中小企業まで含めた半導体産業全体の環境が強化されなければならない。日本の輸出規制の時の教訓を忘れてはならない。これまでは、中小企業との共存を通じた重要素材や部品の国産化に力を尽くすよりも入手しやすい日本製品に依存し、自ら隙を作った。

 政府は、化学物質などの半導体製造施設に関連する規制を緩和することにした。政府は「加湿器殺菌剤事件」などを機に、国民の安全のために化学物質の管理を強化してきた。政策の基本が損なわれることのないようにしなければならない。

 文大統領のサムスン工場訪問を機に、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長の赦免を要請する声が高まる可能性もある。文大統領は就任4周年の記者会見の際に、司法の正義、公平性、国民のコンセンサスを強調している。半導体への対応と赦免は別だということは言うまでもない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/995139.html韓国語原文入力:2021-05-14 02:37
訳M.S

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