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[社説]3年の闘いの末、加害教師の「有罪」導き出した「スクールMeToo」の勇気

登録:2021-02-20 02:24 修正:2021-02-20 07:10
「女子生徒のための学校はない」と書かれた横断幕=容華女子高校性暴力根絶委員会のフェイスブックより//ハンギョレ新聞社

 2018年に「スクールMeToo」の開始を知らしめたソウル蘆原区(ノウォング)の容華女子高校での強制わいせつ事件の加害教師が、法的処罰を受けることになった。19日、ソウル北部地裁は同校の元国語教師A被告に対し、青少年性保護法違反により懲役1年6カ月を言い渡し、法廷で拘束した。A被告は、2011~2012年に5人の生徒に対して教室などで強制わいせつを働いた疑いで起訴されていた。裁判所は「被告人の行動は醜行の中でも罪質が悪質」、「教育者としての任務を忘れ、被害者たちに醜行を働いた」と量刑理由を明らかにした。学校、教育庁、警察や検察に至るまで、社会の中核を占める旧世代が無視する中で、かろうじて続けられてきた生徒たちの闘いが、3年たってようやく実を結んだのだ。

 2018年3月に容華女子高校の卒業生たちがSNS上で性暴力被害に関する情報提供を受けたことから始まった同校のスクールMeTooは、在学生たちが教室の窓に付箋で「MeToo」「WithYou」などのメッセージをはりつけて呼応したことで、世間に知られるようになった。それが全国的な「スクールMeToo」へと野火のように広がり、生徒だけでなく、多くの市民からの支持も受けた。学生時代に、権威的な学校文化の中で教師からセクハラや言語による暴力を受けても、何も言えずに卒業してきた成人たちが非常に多いためだ。

 しかし、生徒たちはMeToo以降、さらに過酷な「2次加害」に苦しまねばならなかった。学校と教育庁は18人の教師を懲戒処分にしたものの、このうち15人は学校に戻ってきた。一部の教師は内部告発者を探し出すと言ってむしろ生徒を脅し、性的暴行に関与していない教師まで「家族のような仲なのにやりすぎだ」「学校の名誉が失墜する」などと懐柔に乗り出し、疲れ果てた生徒は満身創痍となった。検察は、被害者を最も多く出したA被告すら証拠不十分で嫌疑なしとした。その後、スクールMeTooに対する社会的関心は急速に冷めていったが、昨年2月、「蘆原スクールMeTooを支持する市民の会」が陳情書を提出したことで追加捜査が実現し、A被告は起訴された。

 今回の判決が、学校内の性暴力に無関心なだけでなく、未成年を尊重しない韓国社会と教育現場に対する警鐘となることを願う。学校と教育庁が生徒の苦しみには耳を傾けず、事態を取り繕ったり、教師たちを保護したりすることに汲々としたことを、教育界は深く反省せねばならない。判決直後の記者会見で被害者は「学校現場がより安全で楽しい場所となるための一助となったと信じる」と述べた。学校が生徒たちにとって性暴力の被害を防ぐ安全の砦となることができないのなら、いったいどんな存在意義があるのか、問い直さざるを得ない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/983752.html韓国語原文入力:2021-02-19 18:34
訳D.K

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