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[社説]「賄賂断罪」が「企業叩き」だという保守メディアのこじつけ

登録:2021-01-21 03:01 修正:2021-01-21 08:47
グラフィック=キム・ジヤ//ハンギョレ新聞社

 サムスン電子のイ・ジェヨン副会長が18日に法廷で拘束されたことを受け、大半のメディアがまたしても「サムスン危機論」を持ち出している。サムスンの経営と国家経済に大きな事故が発生するかのように騒いでいる。司法の法的判断も否定するとともに、被害者を監獄に送ったというような主張もはばからない。財閥トップが法の審判を受けるたびに繰り広げられてきたことだが、今回はこじつけがはなはだしい。

 19日付「朝鮮日報」の社説は、「強要事件が贈収賄事件に変わった」と主張し、「刑務所の塀の上を歩く企業家の宿命」を嘆いた。いわゆる経済紙は「政治が企業家を監獄にむりやり閉じ込めた」(韓国経済)だとか「企業が政治権力の犠牲となることがあってはならない」(ソウル経済)などと主張している。まるで政治権力のスケープゴートとしてイ副会長が処罰を受けたと言わんばかりだ。「贈賄者」ではなく「強要の被害者」だというイ副会長側の論理そのままであり、最高裁(大法院)が確定した法的判断を真っ向から否定するものだ。口を開けば「法治」を云々するメディアが、財閥トップの前では「法の下の平等」という常識さえ忘れてしまうようだ。恥ずべきことだ。

 破棄差し戻し審は「イ副会長は積極的に贈賄し、黙示的ではあるものの、継承作業のために大統領の権限を使ってほしいという趣旨の不正な請託を行った」と指摘した。イ副会長が自らの経営権継承のために会社の資金を横領し、朴槿恵(パク・クネ)前大統領に贈賄を行ったと判断したのだ。会社の経営上の利益のためでもない、個人の違法行為であり、その被害は「サムスンという企業」、役員と社員、株主に降りかかった。企業はトップの私有物ではない。財閥トップに対する断罪を「企業叩き」に化けさせるなど言語道断だ。

 イ副会長の拘束により、サムスンは大規模投資、新事業、グローバル経営などに支障を来たすだろうという危機論もあふれている。根拠の薄い誇張された主張だ。イ副会長が拘束された2017年、サムスン電子の経営業績はむしろ大幅に改善された。イ副会長の拘束は最終的に国家経済への打撃につながるだろうという主張は、さらに荒唐無稽だ。では、国家経済のために財閥トップの不法行為は永遠に治外法権の聖域として残そうということなのか。世を惑わし欺く主張だ。

 財閥トップの不正と不法に根拠のない危機論で蓋をしようとする時代錯誤的な主張は、もうやめるべきだ。本当にサムスンを心配するのなら、イ副会長が順法経営の約束を守っているか監視し、励ますべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/979467.html韓国語原文入力:2021-01-19 18:23
訳D.K

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