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[社説]北朝鮮党大会、朝米・南北の対話の可能性を開く契機に

登録:2021-01-05 05:18 修正:2021-01-05 07:05
スーツにネクタイ姿の北朝鮮の金正恩国務委員長が2016年5月6日、北朝鮮の平壌の4・25文化会館で開かれた労働党第7回大会で開会の辞を述べている/朝鮮中央テレビよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が今月初めに行うと明らかにしている朝鮮労働党第8回大会の開催が差し迫っている。北朝鮮は新年に入り4日まで党大会の開催の有無を公式には発表していないが、年末に党大会の参加者に代表証を与えたと明らかにしたことなどを考慮すれば、まもなく開かれるものとみられる。党優位国家である社会主義圏において党大会は、国家の全般的な政策基調を公式に承認する最も重要な政治行事だ。1945年以来7回開かれた北朝鮮の党大会のたびに、経済建設と対外政策、統一問題などに対する主要方針を発表してきた。今回の党大会が南北と朝米の対話の可能性を開く契機になることを希望する。

 第8回党大会は、新型コロナウイルス、洪水や台風などの自然災害、対北朝鮮制裁による経済難など、北朝鮮が負っている三重苦のなかで開かれる。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、党大会の事業総和報告を通じ、文在寅(ムン・ジェイン)政権と米国のジョー・バイデン政権に向け、対南・対米路線と国家経済発展5カ年計画などを打ち出すものとみられる。

 何より、金正恩委員長が今月20日に発足するバイデン政権とどのような関係を作っていくかに関心が集まっている。北朝鮮には、バイデン政権を乱暴な言葉や軍事行動で刺激せず、対話の空間を作るために努力してほしい。バイデン政権は、北朝鮮に前向きな信号を送り、北朝鮮との対話の再開のために積極的に動かなければならない。もし、バイデン大統領が新型コロナへの対応などの国内問題に集中するあまり北朝鮮との対話を先送りするならば、北朝鮮が軍事行動に乗り出す可能性が高まり、朝鮮半島情勢は収拾が難しくなりうる。韓国政府も、朝米双方が対話再開に進めるよう外交力を発揮しなければならない。

 新年も新型コロナが南北関係の変数だ。北朝鮮は新型コロナへの防疫システムを超特急で最高段階に引き上げ、対外的な門戸をより固く閉じ、自力更生を強調している。南北協力にも消極的だ。しかし、三重苦の危機を克服するには、新型コロナのワクチンや治療剤を分ける南北の保健協力が必要だと思われる。金正恩委員長も昨年10月、労働党創建慶祝軍事パレードでの演説で「1日も早くこの保健危機を乗り越え、北と南が再び両手を取りあう日が訪れるよう祈る」と明らかにしている。これを地盤にし、7月の東京五輪を契機に韓国・北朝鮮・米国・日本の首脳外交を成功させ、2019年2月のハノイでの朝米首脳会談の決裂以来止まっている朝鮮半島平和プロセスを再稼動できるよう、関連国が力を集めなければならない。南北が先に強い覚悟で朝鮮半島の平和に向かい、動かなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/977251.html韓国語原文入力:2021-01-04 19:32
訳M.S

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