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[社説]菅首相「強制動員問題と首脳会談」をつなげるのは不当だ

登録:2020-10-15 09:23 修正:2020-10-16 04:07
日本の菅義偉首相が9月24日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領との電話首脳会談の内容を説明している=日本首相官邸提供//ハンギョレ新聞社

 日本政府が韓中日首脳会談に出席する条件として、韓国政府に非常識な要求をしてきたという。強制動員被害者に賠償を命じた韓国最高裁(大法院)の判決を履行していない日本企業の韓国内資産が売却(現金化)されないことを、韓国政府が保証してほしいという意思を伝えたと、日本のマスコミが13日に報道した。韓国と日本の政府はいずれもこの報道を公式に認めてはいないが、最近の日本政府の態度を考えると、事実である可能性が高い。日本政府の要求は「韓国の裁判所の判決の執行を行政府が阻止してほしい」ということだ。民主主義の基本原則である三権分立を無視した常識外れの主張だ。韓国政府は受け入れてはならない。

 2008年に始まった韓中日首脳会談は、毎年3カ国で順番に開かれており、今年は韓国が議長国として年内にソウルで開催することを中国・日本と協議してきた。先月末、日本の外務省の幹部は日本の記者団に対し、強制動員賠償訴訟と関連して「韓国政府が日本企業の資産を売却しないと約束しなければ菅義偉首相は韓国を訪問できない」と話している。毎年定例で開催されてきた韓中日首脳会談の出席に前提条件をつけることは、日本自ら「国の品格」を下げることだ。もし菅首相が韓中日首脳会談に出席しなければ、日本も損害を被るということを自覚してほしい。

 韓国と日本は最近、企業人の特別入国手続きの施行に合意し、新型コロナ問題で今年3月に中断された両国の人的交流が7カ月ぶりに再開された。「現金化を中止すれば首脳会談を開く」という日本政府の要求は、両国関係回復の兆しに冷水を浴びせる行為だ。日本の茂木敏充外相がドイツの外相との2日の会談で、ベルリンに設置された「平和の少女像」の撤去を要請したため、菅政権に対する韓国国民の認識は悪化している。

 日本では、菅首相が脆弱な国内政治基盤を強化するために、韓国に対して「現金化中止」の要求にこだわるだろうという予想が出ている。いっぽう韓国政府は、司法府の判決には介入できないという原則を明確にしてきた。両者の立場が対立し続けた場合、菅首相の年内訪韓は不可能になる。菅首相は先月24日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領との電話会談で「日韓関係を放置してはいけない」と明らかにしている。菅首相には、韓日関係を破綻にまで追い込んだ安倍前首相の陰から抜け出すことを願う。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/965679.html韓国語原文入力:2020-10-14 09:15
訳C.M

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