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[社説]苦肉の「距離措置緩和」、防疫の緩和は避けよ

登録:2020-09-14 06:47 修正:2020-09-14 09:20
13日午前、ソウル市陽川区の陽川聖堂で、信者らが指定された席でミサに参加している。政府はこの日午後から2週間、ソウル市周辺のソーシャル・ディスタンシングをレベル2に下げることにした=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社

 韓国政府が半月間施行してきた首都圏の「強化されたソーシャル・ディスタンシング」準レベル3(レベル2.5)を、14日からレベル2に下げることにした。チョン・セギュン首相は13日、中央災害安全対策本部会議で「最近の状況と専門家の意見を検討して、2週間首都圏をレベル2に調整する」と発表した。8月30日に準レベル3に高めて、首都圏の飲食店や製菓・製パン店は夜9時以降閉店、フランチャイズのコーヒーショップは配達とテイクアウトだけにしていた制限が解除される。いまも新規感染者が毎日100人を超えているため、性急な決定という心配が一部から出ている。しかし、準レベル3の期間が長期化し、雪だるま式に増える自営業者の被害を放置し続けることもできない。防疫と経済をともに考慮した苦肉の策と思われる。

 13日の新規感染者121人のうち、最近再拡散の原因になった市中感染は99人で、30日ぶりに2桁に減った。 準レベル3のソーシャル・ディスタンシングの効果が一定程度現れたと評価できるが、まだ不安を消すことはできない局面だ。病院やさまざまな集まりで小規模の集団感染が相次いでいるうえ、感染経路の分からない感染者も4人に1人の割合で発生している。そのうえ2週間後には例年ならば「民族大移動」となる秋夕(旧暦8月15日の節日)の連休が始まる。5月と8月の連休の時に感染者が急増した経験に照らしてみると、決して安心できない状況だ。

 チョン首相は「秋夕からハングルの日(祝日)を含む連休が、下半期の新型コロナウイルス感染症防疫の最大の分岐点になる見込み」とし、「今月28日から2週間を特別防疫期間と定め、全国的に防疫強化の措置を準備する」と明らかにした。防疫の観点だけから見れば強化したソーシャル・ディスタンシングを続けるのがいいだろうが、経済を考えると強行するわけにもいかない。ソーシャル・ディスタンシングの緩和がこのような避けられない事情のために下された措置だという点を明確に認識し、マスクの着用、人と一定の距離をおくこと、手洗いなどの防疫規則の順守をより一層徹底しなければならない。多数が利用する施設の利用は最大限自制すべきであることは言うまでもない。

 この15日間、COVID-19発生後もっとも強力なソーシャル・ディスタンシングを施行し、混乱が少なくなかった。 政府は「レベル3」を避けるために「準レベル3」または「レベル2.5」という中間段階を適用した。これを機にソーシャル・ディスタンシングの段階をもう少し細分化し、対策もきめ細かに練る必要がある。そすれば国民の混乱と被害を最小限に抑えながら、防疫効果を最大限に発揮させることができるだろう。

www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/961956.html韓国語原文入力:2020-09-14 02:40
訳T.W

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