高校3年生の「順次登校授業開始」を2日後に控えた11日、教育部は全国の幼稚園と小中高校の登校日程を1週間延ばすことを決めた。ソウル梨泰院(イテウォン)地域の遊興施設で再発した集団感染は、週末と休日を経て6日後のこの日に全国で100人近くに達した上、2次感染も続いていることを受けての措置だ。梨泰院の遊興施設を出入りした約2千人に依然として連絡が取れず、無症状の感染者も35%に達しており、「静かな伝播」の危険性がいつになく大きい状況だ。今週が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)再拡散の瀬戸際となることから、登校始業延期は不可避と見られる。
しかし、COVID-19事態ですでに5回延期されている登校日程が再び延期されたことで、児童生徒と保護者、第一線の学校の混乱もそれだけ長引くことになった。特に、高校3年生の被害は深刻だ。教育当局は今年の入試日程に支障はないとしているが、高校3年生たちの心理的な不安は非常に大きくならざるを得ない。幼い子どもを持つ保護者も早急に保育の対策を講じなければならない。今は防疫当局が教育の第一線に立つ未曽有の状況だ。徹底した対策で、1週間以内に集団感染の拡大の勢いを抑え込まなければならないだろう。教育当局も、始業後をより徹底して準備する時間としなければならない。
遊興施設とその利用者の不注意が6度目の登校授業開始の延期につながったことを考えると、残念でならない。にもかかわらず、先週末と休日の間、営業が中止されたソウルと首都圏の遊興施設に代わって、他地域の遊興施設がにぎわったという。少なくない人々が「遠征」して遊んだことが分かる。また、ラウンジバーやハンティングポチャ(居酒屋)などにも利用者が長蛇の列を成したという。これらの店は一般飲食店として許可を受けているが、業態はクラブやキャバクラとあまり変わらない。こうした「風船効果」をきちんと防げなければ、政府の防疫対策に大きな死角地帯が生じざるを得ない。
いくつかの地方自治体がこれら「類似遊興施設」に対する「集合禁止」命令を発動し始めた。しかし、一方を押せばもう一方が膨らむという風船効果の特性を考慮すると、中央政府が効果的な対応策を講じなければならないだろう。問題の遊興施設を訪れた人々は、自分や家族、そして隣人の命と安全のために自ら届け出て、検査を受けなければならないのは言うまでもない。