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[社説]日本はたじろいで「名分」示すより、交渉に応じよ

登録:2019-08-08 21:14 修正:2019-08-09 10:28
安倍晋三首相(左から2人目)と世耕弘成経済産業省(右から2人目)が2日、ホワイト国(グループA)から韓国を除外するための閣議に参加している=東京/EPA・聯合ニュース

 日本政府が8日、第1次輸出規制品目に指定した半導体材料のうち感光液のフォトレジストの輸出1件を承認したと明らかにした。高純度のフッ化水素(エッチングガス)などの半導体材料3品目の輸出を制限してから1カ月ぶりに出された初めての輸出許可だ。

 前日に発表した輸出規制施行細則で手続きが難しい個別許可の品目を拡大しなかったことに続き、日本政府がひとまず「戦争」拡大を自制したものと評価できる。しかし、これは輸出規制の名分を積むための一時的なジェスチャーの可能性が高いようだ。安倍政権が、韓国と日本の害になる現状況を解消する意志があるならば、外交・通商ラインによる対話と交渉に直ちにつくべきだ。

 日本の輸出承認に対応して、韓国政府も8日「日本をホワイト国から除外する案」を議論したが最終決定は延期した。李洛淵(イ・ナギョン)首相が主宰した関係長官および国政の懸案点検調停会議ではこのように決め、日本に「外交的解決」を再度促した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「今まで日本が行った対応だけでも両国の経済と国民にメリットがない」と指摘した。まっとうな話だ。日本の貿易報復で韓国経済の安定性が弱まったが、日本もまた観光や部品輸出などで打撃を避けられない。

 日本のたじろいだ姿が現状況を解決するための根本的な態度の変化と見ることは難しい。ひとまず先制攻撃して、一息ついてから輸出規制の正当性を国際社会に宣伝していると見るのがむしろ妥当だ。世耕弘成・経済産業相は記者会見で、日本の輸出規制は「禁輸(輸出禁止)ではない点を韓国側がよく理解してほしい。誤った例(違反事例)が出てくれば追加の対策を講じる」と明らかにしたのは、そのような流れを示している。いつでも輸出規制のひもを引き締められるという見えすいた脅しであるわけだ。文字どおり輸出規制は「韓国に対する報復」でないなら、今でも韓国政府の「外交的解決」努力に応えるのが当然だ。

 韓国政府は相次ぐ日本の「留保的行動」の意味を過大評価せず、冷静かつ慎重に対応しなければならない。日本は一歩退いたようだが、実は輸出規制とホワイト国排除という「経済挑発」をまず敢行しておきながら、しばらく立ち止まっているに過ぎない。日本が一息ついたのには、韓国政府と国民の効果的な対応が一役買ったのだろう。日本がすべての輸出規制を原状復帰させるまで、わずかでも緊張を緩めずに断固たる基調を続けねばならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/905061.html韓国語原文入力:2019/08/08 17:46
訳T.W

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