ロシア軍用機が23日、独島近海の韓国領空を侵犯した。韓国空軍戦闘機が出撃し、警告射撃まで行ったという。外国の軍用機が韓国の「防空識別圏」(KADIZ)に入るのは珍しくないが、領空を侵犯したのは初めてだ。領空は防空識別圏とは異なり、国際法的に韓国の主権の排他的管轄権が認められる不可侵の空間だ。ロシアは直ちに領空侵犯を謝罪し、再発防止を約束しなければならない。
日本は事件が発生すると「わが領土でこうした行為は容認できない」として、韓国とロシアに抗議したという。韓ロ間の紛争に乗じて「独島(日本名・竹島)の領有権」を主張しようとするずうずうしい態度に、怒りを禁じえない。このようにどさくさに紛れて介入する日本の態度は、無謀で危険極まりないものだ。政府は、ロシアの領空侵攻だけでなく、日本の行動にも断固として対応しなければならない。
ロシア軍用機の領空侵犯直後、チョン・ウィヨン国家安保室長は直ちにロシア連邦安全保障会議のニコライ・パトルシェフ書記に電話をかけ、「この事態を非常に重く受け止めており、繰り返された場合、さらに強力に対処をする」と警告したという。外交部も中国とロシアの駐韓大使らを呼び抗議した。当然の対応だ。
合同参謀本部の説明によると、午前東海上空で中国爆撃機2機とロシアの爆撃機2機がともに飛行し、韓国防空識別圏への進入と離脱を繰り返したが、その直後にロシアのA50早期警戒管制機1機が東から接近し、独島付近の領空を侵犯した。これに対し、韓国空軍の戦闘機がミサイル回避用のフレア約20発と機銃約360発で警告射撃を行ったという。両国の航空機間に物理的な衝突が起こった時のことを考えるだけで恐ろしい。このような危機を助長した責任が、他国の領空を侵犯したロシア側にあることは言うまでもない。ロシア軍用機は韓国側の戦闘機の警告射撃に退いたが、再び進入するなど、2回にわたって7分間領空を侵犯したというが、意図的なものではないかという疑念を抱かせる。
最近、北東アジアでは米日と中ロの対立が激化している。韓日の対立も深まっている。偶発的な些細な衝突が軍事的軋轢にまで発展する恐れがある。ロシアと中国は、北東アジアの安全を脅かす行動をやめるべきだ。日本もむやみに対立を煽ってはならない。