文在寅(ムン・ジェイン)大統領が主要20カ国・地域(G20)首脳会議への出席を控え、朝米関係と南北関係に対する診断と構想を詳細に語った。文大統領は26日、聯合ニュースと世界6大通信社の共同書面インタビューで、「3回目の首脳会談に向けて、朝米両国間の対話が行われている」と述べた。北朝鮮の非核化の「不可逆的な段階」に関するガイドラインも具体的に示した。文大統領の構想が、朝米の非核化交渉の膠着状況を打開し新たな進展を果たす上で、いかなる役割を果たせるかに注目が集まっている。
文大統領の発言の中で最も目を引くのは、3回目の朝米首脳会談に向けて、水面下の対話が進められているという部分だ。ハノイ会談が物別れに終わって以来、朝米間の意味のある疎通として注目されたのは、首脳間の親書交換だけだった。しかし、文大統領の発言で、朝米間に3回目の首脳会談に向けた水面下の対話が行われていることが確認されたと言える。朝米交渉が膠着状態を越え、新しい段階に進む可能性を示したという点で、肯定的なシグナルだ。
寧辺(ヨンビョン)の核施設の完全廃棄と検証を非核化の「不可逆的な段階」と規定したことも注目される。文大統領が「非核化の不可逆的な段階」について具体的に言及したのは初めてで、この発言の意味はさらに大きい。さらに、寧辺核施設の完全な廃棄と制裁緩和の交換カードを示したことも注目すべきだ。文大統領の提案は、今年2月にハノイで開かれた朝米首脳会談で北朝鮮が提示した「寧辺の核施設の全面廃棄と民生分野の制裁の解除」の提案と、ある程度軌を一にするもので、北朝鮮が受け入れる可能性がかなり高いと見られる。ただし、文大統領の構想が、米国の立場にれほど合致するかがカギとなる。文大統領の発言が米国と事前に調整されたものなら、3回目の首脳会談が速やかに開かれる可能性はそれだけ高まっているといえる。
文大統領が先週、中国の習近平国家主席の訪朝が、韓国の提案によって実現したことを明らかにした点も、注目を集めている。一部では、朝中首脳会談によって非核化交渉が複雑になるのではないかという懸念もあったが、韓国政府との疎通の中で実現したなら、朝米の非核化交渉に役立つと見てもいいだろう。重要なのは、文大統領が明らかにした構想が具体的な実を結ぶことだ。30日に開かれる韓米首脳会談で、朝米の非核化交渉の進展と第3回目首脳会談の開催に向けた画期的な転換点が示されることを期待する。