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[社説]安倍首相の軍事大国化の推進を後押ししたトランプ大統領

登録:2019-05-30 05:53 修正:2019-05-30 07:42
日本を国賓訪問したドナルド・トランプ米大統領(右)が28日、神奈川県横須賀の米海軍基地を訪問して強襲揚陸艦ワスプに乗船し、将兵たちに挙手の礼をしている=横須賀/AFP・聯合ニュース

 米日首脳が28日、戦後初めて航空母艦に改修される予定の護衛艦「かが」に乗艦し、「グローバル同盟」を誇示した。自衛隊がインド太平洋地域などで米軍と歩調を合わせて積極的に軍事活動を繰り広げることに対し、両首脳間が共感していることを象徴的に示した事件と言える。

 これは戦後日本の安保の根幹だった「専守防衛」の原則に事実上終焉を告げたもので、周辺国の不安と警戒感はさらに高まるだろう。日本が前世紀における軍国主義侵略に対する反省も十分に行わず、軍事的役割の拡大を図っていることに対し、強い懸念を示さざるを得ない。ドナルド・トランプ大統領が日本の軍事大国化を後押しするような動きを見せているのも残念だ。

 安倍首相は米日同盟について、「インド太平洋を自由かつ開かれたものにし、地域の平和と繁栄の礎とすべき」と述べた。米日同盟という名の下で、自衛隊の活動範囲を広げるという意味だ。護衛艦「かが」については「(空母に)改修し、STOVL(ストーブル)戦闘機を搭載することで、我が国と地域の平和と安定にいっそう貢献していく」とし、遠距離作戦能力の増強方針も発表した。これに対し、トランプ大統領は「『かが』は同地域とこれを超えた地域で、我々が複合的な防御をする上で役に立つだろう」とし、事実上自衛隊の役割の強化を認めた。

 日本は1980年代以降、着実に自衛隊の役割と活動範囲の拡大を進めてきた。特に、安倍内閣は2012年12月の発足以来、憲法解釈を通じて「集団的自衛権」を容認し、米日防衛協力指針を見直すことで、自衛隊の作戦範囲を大幅に拡大した。これにより、航空母艦やF-35ステルス機、精密誘導兵器の空対地スタンドオフミサイル(JASSM)、空対艦巡航ミサイル(LRASM)などを多数確保する計画だが、これらは敵基地を破壊するための攻撃用兵器であり、専守防衛の原則とはかけ離れている。

 日本の軍事大国化は、中国の浮上を牽制しようとする米国の戦略的意図と相まって、勢いを増している。しかし、これは中国のさらなる軍事力の増強を招き、韓国の世論にも軍備増強への圧力を高め、北東アジアの軍備競争を煽る可能性が高い。日本は「戦争できる普通の国」になる前に、まず、過去の侵略に対する痛烈な反省と謝罪を行わなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/895865.html韓国語原文入力:2019-05-29 19:06
訳H.J

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