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[社説]李元大統領保釈で有権無罪と誤解されないよう裁判急げ

登録:2019-03-07 06:48 修正:2019-03-09 10:14
逮捕から349日ぶりに保釈が認められた李明博元大統領が6日午後、ソウル松坡区の東部拘置所を後にしながら、支持者らと挨拶を交わしている//ハンギョレ新聞社

 賄賂・横領などの疑いで1審で懲役15年を宣告され服役していた李明博(イ・ミョンバク)元大統領が、控訴審で保釈された。ソウル高裁刑事1部(裁判長チョン・ジュニョン)は6日、高齢と健康を理由の病気保釈請求は認めなかったが、審級別拘束期間(6カ月)のうちに裁判を終了できないため釈放してほしいという主張は受け入れた。ただし、住居制限と接触・通信制限の条件を付けた。

 裁判所が明らかにした通り、無罪推定は刑事法の大原則だが、突然の釈放がこれまで捜査・裁判を見守ってきた国民の法に対する感情とは相当な隔たりがあるのは事実だ。李元大統領側が控訴審で突然大量の証人を申し込むなど、事実上裁判遅延の戦略を駆使してきたという点から、今後裁判が順調に進むのかも心配される。

 1審で裁判所が認めたように、李元大統領は国会議員や金融会社の会長のポストを20億ウォンで売り、訴訟費59億ウォンを大企業に押し付けるなど、大統領の立場を利権に利用した破廉恥な賄賂犯罪の当事者だ。政界入り後、約20年間ダース社の実質所有の事実を隠して国民を欺きながら、相変らず反省どころか部下に責任を転嫁している。裁判所は所轄の警察署長の監視や裁判所の確認など3重の監視をすると明らかにしたが、このような犯罪容疑とこれまで法廷の内外で見せきた姿を考えると、憂慮されるところが少なくない。万が一元大統領という立場のために自由な証言が毀損されるならば、国政壟断の断罪自体が揺らぎかねない。早まった「朴槿恵(パク・クネ)赦免」の主張もこのような憂慮を抱かせる。

 最近国政・司法壟断事件の裁判が集中し、被告人拘束をめぐる論議は少なくない。ヤン・スンテ前最高裁長官の保釈は棄却されたが、ウ・ビョンウ元大統領府民政首席とキム・クァンジン元国防部長官は拘束されずに裁判を受けている。今回の保釈決定が「有権無罪」の誤ったメッセージと解釈されないよう、公正・厳正な裁判への裁判所の意志が切実に求められる。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/884824.html 韓国語原文入力:2019/03/06 17:39
訳T.W

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