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[社説]韓米の合同訓練「キーリゾルブ演習」と「トクスリ演習」終了を歓迎する

登録:2019-03-04 07:05 修正:2019-03-04 08:08
韓国の釜山作戦基地に入港する米国の戦略武器である原子力空母ジョン・ステニス号。キーリゾルブ演習では戦闘機や警報機など約80機を搭載する=釜山/キム・ボンギュ専任記者//ハンギョレ新聞社

 韓国と米国が毎年実施してきた合同軍事演習の「キーリゾルブ演習」 と「トクスリ演習」を今年で終了することにした。両国の国防長官は2日に電話会談し、両演習を終了して新しい名前で縮小して行うことに決めたと韓国国防部が3日、明らかにした。2月28日の2回目の朝米首脳会談が合意なしに終わった直後に、韓国と米国が迅速にこのような決定をしたことは非常に励まされる。朝米間の気流が不透明な状況で、北の核の解決のための韓米外交の努力が続く見通しだという点を明確に表明したためだ。

 韓米両国が微妙な情勢の中で主導的に出て、攻勢的・対決的な軍事演習を自制することにしたのは意味が非常に大きい。キーリゾルブは1976年に始まった「チームスピリット訓練」が始まりで、その後トクスリ演習と統合して実施されてきたが、毎回北朝鮮の反発をかっていた。韓米両国は、キーリゾルブは「トンメン(同盟)」という名に変えて日程を大幅に減らし、トクスリ演習は名称なしに大隊級規模で年中実施することにした。米軍の戦略武器の朝鮮半島への配備も中断され続ける見込みだという。軍事的対備態勢を維持しながらも、対話ムードを継続するための適切な措置と評価される。ただし、韓米連合防衛能力が目立って弱まらないように慎重に行う必要はある。

 今回の決定は、米国がハノイ会談の失敗にもかかわらず、北朝鮮と対話で問題を解決するという意志を明確にしたという点でも注目される。ハノイ会談で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、核実験とミサイル試験発射の永久中断の意志を明らかにし、米国のトランプ大統領は韓米軍事演習再開について「かなり前に放棄した」と述べた。大規模な韓米合同演習中断と北朝鮮の核・ミサイル試験の中断が対話維持の基本だという両首脳の認識が、今回の措置で改めて確認されたわけだ。

 南北米は今後、対話のモメンタムを生かすための努力を多角的に広げなければならない。トランプ大統領は2日、ハノイ会談は失敗ではないと述べ「我々は数日間多くのことを学んだ」として、北朝鮮の労働新聞は「互いに知恵と忍耐を発揮すれば関係を画期的に発展させていける」という金委員長の言葉を伝えた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は4日、国家安全保障会議を開いてハノイ会談以後の対応策を議論する。韓国と北朝鮮、米国がハノイの失敗を教訓に、より密度ある交渉の場を設けるために総力を挙げることを願う。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/884319.html韓国語原文入力:2019/03/03 18:00
訳T.W

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