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[社説]5年ぶりの強制徴用判決、他の事件も見直すべき

登録:2018-10-20 06:32 修正:2019-02-18 14:22
最高裁(大法院)//ハンギョレ新聞社

 最高裁(大法院)が30日に強制徴用損害賠償事件の再上告審の宣告公判を開くことにした。破棄差し戻し後、最高裁に再上告されてから5年2カ月ぶりのことだ。その間、同訴訟は司法壟断の象徴的な事件となった。最高裁が事件に対する判断を留保する見返りに、大統領府・外交部は裁判官の海外派遣の機会を作った情況が明らかになり、代表的な裁判取引事例として挙げられてきた。

 遅まきながら判決が言い渡されることになったが、司法府にとっては様々な面で恥辱的な記録として残るだろう。遅滞した正義は、正義ではないだけでなく、その過程での裁判取引疑惑は、再び司法府全体を揺るがす起爆装置になるからだ。最高裁の全員合議体が正しい判決を下さなければならないのはもちろんだが、関連裁判官は検察捜査に協力し、司法壟断の真相を国民の前に明らかにすることで、裁判所自ら生まれ変わる契機にすべきだ。

 Y氏など、強制徴用被害者4人は新日本製鉄(現新日鉄住金)を相手に日本の裁判所に訴訟を起こして敗訴した後、韓国の裁判所で再び訴訟を起こしたが、第1審と第2審でいずれも敗訴した。しかし、最高裁は2012年5月、「日本の裁判所の判決は、日帝強占期(日本の植民地時代)に強制動員そのものを違法と考えている大韓民国憲法の核心的価値と真っ向から衝突するものだ」として、原審を破棄し事件を差し戻した。翌年、ソウル高裁が原告にそれぞれ1億ウォン(約990万円)の賠償を命じており、同年8月に再上告されたが、最高裁は結論を見送りつづけ、先月になってようやく全員合議体に付託した。

 司法壟断の捜査過程で、朴槿恵(パク・クネ)大統領から指示を受けた金淇春(キム・ギチュン)大統領府秘書室長がチャ・ハンソン、パク・ビョンデ裁判所事務総長やユン・ビョンセ外交長官、ファン・ギョアン法務長官まで呼んで、裁判の延期と判例の変更を要請した事実が明らかになった。「ヤン・スンテ最高裁」が民事訴訟規則まで改定し、外交部が最高裁に意見書を提出できるようにし、ジュネーブ代表部に派遣裁判官を設けた事実も、裁判所事務総局と外交部の文書と関連者の供述を通じて確認された。

 司法壟断の疑惑が持ち上がったのはこの事件だけではない。憲法裁判所が過去の歴史関連事件で一部違憲決定を下したが、これを通じて救済される事件は限られている。最高裁は現在係争中の事件で無実の被害者が生じないよう、迅速に正さなければならない。これに当たらない被害者たちは結局、国会が乗り出して特別立法で救済すべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/866581.html韓国語原文入力:2018-10-19:20
訳H.J

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