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[社説]「金大中-小渕宣言」20周年、新しい韓日関係構築の契機に

登録:2018-10-10 22:31 修正:2018-10-11 07:36

 「金大中(キム・デジュン)-小渕宣言」として知られる「21世紀新しい韓日パートナーシップ共同宣言」が8日で20周年をむかえた。安倍晋三首相は9日、外務省などの主催で開かれた記念シンポジウムに参加して「韓日関係を未来指向的に発展させるために努力したい」と述べた。これに先立って1日には李洛淵(イ・ナギョン)首相が韓国で開かれた共同宣言20周年記念式に参加して、両国の協力関係を顧みて祝辞を述べた。しかし、全体的な雰囲気はあまり良いようには見えない。これといった共同行事もなく、両国が別々に開いた行事も質素な水準を抜け出せなかった。数年来続く不都合な韓日関係を示す場面といえる。

金大中大統領と小渕恵三首相が1998年10月8日、東京の迎賓館で両国閣僚が参加する拡大首脳会談に先立ち握手している。この日、両国は「21世紀新しい韓日パートナーシップ共同宣言」に合意した=資料写真//ハンギョレ新聞社

 金大中大統領と小渕恵三首相が1998年に採択した「韓日パートナーシップ共同宣言」は、1965年の韓日関係正常化以後の両国の関係を一段階発展させた画期的宣言と評価される。当時、韓日首脳は両国が過去を直視し未来を開くということで意見の一致を見た。小渕首相は日本の植民地支配で韓国国民に大きな苦痛を与えた事実を受け入れて「痛切な反省と心からの謝罪」をした。韓日外交史上、初めて過去の問題に対する日本の反省と謝罪が公式合意文書に明示された。

 この共同宣言が韓日協力の方向を包括的に提示したという点も見逃せない。韓国政府はこの宣言に則り、日本の大衆文化の開放を断行し、日本では韓流ブームが起きた。しかし薫風は長くは続かなかった。特に、2012年に李明博(イ・ミョンバク)大統領が電撃的に独島(ドクト/日本名・竹島)を訪問した後、日本では韓流熱風が消え、反韓の波が立った。さらに朴槿恵(パク・クネ)政府は2015年「慰安婦合意」を拙速断行して韓日関係を一層もつれさせた。こうした歴史を見回せば、両国の政治指導者の賢明な身の振り方が韓日関係の発展にどれほど重要かを痛感することになる。

 韓日関係が今のように不都合な時こそ「金大中-小渕宣言」に込められた平和・協力の精神を生かすための姿勢が必要だ。韓国は、日本との関係改善に一層努力しなければならず、日本政府は小渕首相の「反省と謝罪」を記憶しなければならない。特に、朝米関係の地殻変動で朝鮮半島の平和定着と北東アジアの平和秩序構築が当面の課題になっただけに、韓日両国は新しい北東アジアの未来を操り上げるために共同の方案を探すことに協力しあうべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/865112.html韓国語原文入力:2018-10-09 19:27
訳J.S

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