全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領が27日、光州(クァンジュ)地裁で開かれた5・18民主化運動関連の裁判に最後まで姿を見せなかった。全元大統領は5・18当時、ヘリコプター射撃を証言した故チョ・ビオ神父の名誉を毀損した容疑で起訴され、裁判にかけられた。これまで二度も裁判を延期したうえ、今度は夫人のイ・スンジャ氏が「全氏がアルツハイマー病を患っている」として、欠席の意思を明らかにした。実際闘病しているかどうかは確認しなければならないが、どうやってでも5・18に関連する責任を逃れようとしているようで、多くの人たちの憤りを買っている。
イ氏は26日、全氏が「2013年にアルツハイマーと診断され、薬を服用してきた」と明らかにした。しかし、全氏は2013年以降も母校の体育大会や葬儀などに姿を見せており、昨年には回顧録まで出版した。全氏が本当に裁判にも出席できないほど健康が悪化しているのかについて、疑問を抱かざるを得ない。李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)両元大統領も、健康上の理由で裁判への出席を拒否している。法を無視する元大統領のこのような態度は非難を受けて当然だ。
全氏は1980年5月、光州市民を無差別虐殺したのと関連し、1997年に内乱目的殺人罪などで有罪を言い渡された。しかし、今まで光州の英霊と市民に一言も謝罪していない。チョ・ビオ神父が直接目撃したヘリコプター射撃証言をめぐっては、チョ神父を「仮面をかぶったサタン」とまで表現した。国防部は今年初め、光州市民に向けたヘリコプター射撃が事実であることを確認したと明らかにした。このように、真実が明らかになったにもかかわらず、歴史を歪曲して責任逃れをしようとする全氏の行動は、卑劣極まりないものだ。
全氏はこれ以上遅れる前に、光州の英霊たちの前にひざまずいて謝罪しなければならない。裁判に誠実に臨んで罪を償わなければならない。それこそが光州の英霊らの魂を少しでも慰める道だ。今のように責任逃れして真実を隠そうとするなら、歴史の断罪を免れる道はないことを、全氏はしっかり認識すべきだ。