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[社説]財閥トップの“恥知らず”を示したアシアナ会長

登録:2018-07-06 10:12 修正:2018-07-07 06:26
錦湖アシアナグループのパク・サムグ会長(右)とアシアナ航空のキム・スチョン社長が4日午後、ソウル鍾路区の錦湖アシアナグループ本社で記者会見を開き“機内食大乱”と関連して記者団の質問に答えている=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 企業が危機に直面した時に取る収拾策の一つが最高経営者の直接謝罪だ。ところが、これが事態を沈静させるどころかかえって悪化させる場合がたびたびある。責任回避のような弁解をならべたために、誠実さが感じられないからだ。謝罪をしてもさらに非難を言われるのは、そのような理由だ。アシアナ航空の「機内食トラブル」に関連した錦湖アシアナグループのパク・サムグ会長の4日の記者会見がまさにそのような例だ。

 機内食トラブルの根本原因を調べてみると、パク会長の経営の失敗にある。パク会長は2006年に大宇建設、2008年に大韓通運を強引に買収し、グループを危機に陥れた。資金流動性の危機に直面するとすぐに大宇建設と大韓通運を再売却し、錦湖高速、錦湖産業、錦湖タイヤなど最も重要な系列会社も売った。

 その後、パク会長はグループ再建を名分に系列会社を取り戻すことに乗り出し、その過程でグループの稼ぎ頭であるアシアナが金脈の役割をした。その結果、アシアナは今年第1四半期末の負債率が599%に達するほど経営が悪化した。来年から新しい会計基準が適用されると、負債率が1000%に迫るという分析もある。機内食トラブルもパク会長が錦湖タイヤの再買収に必要な資金確保のために機内食の業者を無理に変更したことが禍いになった。トップの個人欲のためにまともな企業が被害を受けているわけだ。

 パク会長は記者会見で「深い責任を感じる」として、不便を被らせた乗客やと対処に苦労した職員、自殺した協力業者代表の遺族に謝った。頭を下げる姿は見せたものの、中身はなかった。機内食業者変更の問題点の指摘に対して「誤解」と否定した。また「大韓航空が助けてくれたら解決できたのに協力を得られなかった」として「互いに協力する点は協力しなければならないはずだ」と話した。他人のせいにしたのだ。娘を系列会社の常務の席に着かせたことについても「人生勉強、経営勉強をさせようとしたこと」と言い、「応援してやってほしい」と話した。縁戚経営と世襲経営に対する問題提起を特別なことではないかのように言い、自分の子どもを「応援してほしい」と話したくだりには、あきれて閉口する。

 アシアナ航空の労組は5日に声明を出し、「機内食トラブルはパク会長の経営失敗を原因と考えざるを得ない」として「パク会長は経営の一線から退き、専門の経営者に交替せよ」と要求した。またアシアナの職員は大韓航空のように「職員連帯」を作り、6日にソウルの光化門で「経営陣糾弾ろうそく集会」を開く。トップの無能と無責任を叱責する職員の声を、パク会長は重く受けとめるべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/852107.html韓国語原文入力:2018/07/05 19:23
訳T.W

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