アシアナ航空「機内食大乱」から三日たった今月3日、多くの人がパク・サムグ錦湖アシアナグループ会長を訪ねた。怒った乗客たちに必死に許しを請い頭を下げている乗務員たちはもちろん、マスコミと国民たちもパク会長が登場するものと信じていた。しかし、パク会長は結局姿を現さなかった。このような中、機内食大乱が発生してから三日後に、それも協力会社の代表が死亡する悲劇が生じてから出た代表取締役の公式謝罪文に掛かれていたのは「キム・スチョン」という名前だけだった。パク会長もアシアナ航空の共同代表取締役だが、彼は自分の名前を記さなかった。
人々がパク会長を訪ねたのは「腹いせ」のためではない。今回の機内食大乱が「パク・サムグ式経営」の一断面をそのまま見せているためだ。アシアナ航空が15年の間ともにしたパートナーのLSGスカイシェフを自らの手で追い出した背景には、錦湖ホールディングスに対する巨額の投資の要求があった。錦湖ホールディングスは、パク会長が錦湖産業を買収するために錦湖企業と錦湖ターミナルを合わせて作った事実上の持株会社だ。大株主のパク会長は持分28.1%を持っている。なので、グループの現金確保のために系列会社の協力業者を相手に投資の強要が行われたという解釈が出るのは無理な話ではない。
パク会長のために機内食大乱が甘受されたわけだが、このような事態を予測したであろうアシアナ航空の収拾のしかたは“アマチュア”のようだ。供給会社の業務未熟という言い訳ばかりで、乗客には飛行の遅延告知さえまともにしなかった。このため乗客たちは出発が遅れた理由と「ノーミール」を明らかに予想しながらも、予告された出発時刻に合わせて空港に向かい、むなしく待って飛行機内でお腹を空かせる状況が続いている。三日目にホームページに「ポップアップ」の謝罪文を上げたが、死亡した人に対する最小限の哀悼さえない。現場では「これまで謝罪文一つ出せなかったのはサインするパク会長が外国に行っていたから」と囁かれている。
パク会長は「スキンシップ経営」をトレードマークとして掲げる。乗務員に対する不適切な身体接触を指摘された後は褪せたものの、当初スキンシップ経営という名前で現場を直接チェックするリーダーを標榜した。しかし、大乱が始まった日の朝、パク会長は全ての責任を乗務員と協力会社に任せ中国行きの飛行機に乗った。当該飛行機のビジネスクラスは、延世大学の同窓会長を務めるパク会長と、延世大学出身のハン・スンス元首相、延世大学理事長のホ・ドンスGSカルテックス会長など、延世大学関係者らで埋まった。彼らが訪ねたのは、青島セブランス病院の着工式だ。
パク会長が政官界関係者との「スキンシップ」を乗客・乗組員との「スキンシップ」より重要視しているのではないかと疑われる。事実なら、機内食大乱は「予告編」かもしれない。