1日に始まったアシアナ航空の機内食供給支障にともなう出発遅延事態が2日にも続いた。この日も機内食を載せることができず、飛行機の出発が遅れ、一部の航空機は機内食がない状態で離陸する状況が続出した。乗客は、長くて3~5時間も到着が遅れ、乗り継ぎ便への搭乗に困難をきたしたり、乗務員は相次ぐ乗客の抗議に耐えながら“空腹”労働を強いられているとし、安全問題も提起されている。そして今回の機内食供給不足事態が、当分継続する可能性があるという憂慮も提起されている。
2日、アシアナ航空によれば、この日午後5時基準で国際線18便が1時間以上遅れて出発し、16便は機内食がまったくないか不足した状態で運航された。機内食の供給不足事態が始まった1日には、国際線86便のうち53便が遅延離陸し、38便には機内食が載せられなかった。空港統計に把握されない1時間未満の遅延まで含めれば、出発が遅延した旅客機はさらに多い。一度航空機の運航が遅れれば、後の便もずるずると遅れざるをえず、遅延事態はしばらく続く見込みだ。
仁川空港などでは、飛行機の出発遅延理由や時間をまともに案内されなかった乗客の抗議が続いている。ハワイに新婚旅行に出発するために1日深夜、飛行機搭乗を待っていたある乗客は「アシアナ航空が空港食堂で食事をしてくれとして、一人当たり1万ウォンの食事クーポンをくれたが、時間が遅くて空港食堂はすべて閉店していた」として「結局、お腹を空かした状態で飛行機に乗った」と話した。同じ日ドイツのフランクフルトに向かった飛行機には、2回目の食事が一部載せられず、間食用に準備されたサンドイッチとラーメンが慌ただしく提供された。この他にも多くの航空機で、アシアナ航空が食事の代わりに提供した30~50ドル相当のクーポン(TCV)を機内免税品の購買に使おうとする乗客が相次いで、飛行中も混雑が続いた。
さらに大きな問題は、こうした状況を乗務員など現場の労働者がすべて抱え込んでいることだ。1日、機内食が不足した旅客機で仕事をした乗務員は「乗客に食事を一つでも多く提供するために、乗務員の機内食はなく、何も食べずに免税品を販売したりラーメンを作った」として「乗客の安全を最優先にしなければならない乗務員を空腹のまま働かせることは、飛行の安全に良くない」と話した。また別の職員は「数時間後に飛行があるが、乗客に申し訳なく出勤するのがこわい」として「平謝りするしかない」と話した。会社の匿名掲示板アプリ「ブラインド」にも「何百名の命に責任を持つ機長も、ラーメン一つ、ドリンク一本を肩身狭く受け取った」 「乗務員の顔は、鉄板で覆われているとでも思うのか」などの哀訴が続いているが、キム・スチョン社長などアシアナ航空の経営陣次元の公式釈明や謝罪はないままだ。
こうした混乱が長期化しかねないという憂慮もある。今回の機内食供給支障事態は、小規模機内食業者「Sharp DO&CO Korea」が、アシアナ航空に3カ月間機内食を供給することにした初日に起きた。業界では、一日3千食を供給してきた業者が、2~3万食が必要なアシアナ航空の注文量に耐えられるまでに業務が熟練するには、かなりの時間がかかると見ている。アシアナ航空の関係者は「事態は徐々に好転している」として「速やかに正常化するために最善を尽くす」と説明した。