中国では27日に南北首脳が出した「板門店(パンムンジョム)宣言」を歓迎する声が非常に強い。鄭継永・復旦大学教授(朝鮮韓国研究所長)は29日、ハンギョレに今回の合意は「北東アジアの力学関係に画期的変化を持たらす事件」と絶賛した。彼は続けて「中国排除論」は「無用な心配」と一蹴し、中国は「北朝鮮に自信を与える役割」を果たすことになるだろうと見通した。
-南北首脳会談をどう評価するか?
「朝鮮半島情勢にあって甲午戦争(清日戦争)、朝鮮戦争、韓中国交正常化以来4回目の画期的変化をもたらす事件だ。以前と異なることは、南北だけの力でこれを成功させたということだ。以前の事件は、外勢による戦争と覇権争いによる強圧的変化だったが、今回は朝鮮半島内部の力が外部の力に勝ち抜いた」
-中国の一部の専門家たちは、南北が中国を排除しようとしていると憂慮している
「誤った見方だと思う。歴史的にも実質的にも、中国抜きでは朝鮮半島の終戦および平和宣言は不可能だ。金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長も先月北京に立ち寄り、朝鮮半島情勢に対する理解を一層深め、南北、朝米会談を成功させられるという自信を持っただろう。(そうした意見を持っている中国の)専門家たちは、朝鮮半島で一方を排除して他方を近づけようとしてきたこれまでの南北不均衡政策が誤りであったことを認め、心から朝鮮半島の安定と平和を追求しなければならない」
-北朝鮮の核放棄の意志をどのように見るべきか?
「北朝鮮と米国が話す非核化の概念は異なっている。北朝鮮は、政権安保が守られる条件の下で朝鮮半島、ひいては全世界の非核化を要求している。(もちろん)とても理想的だ。また、米国が考える『北朝鮮の単独非核化』とは距離が遠い。米国が『完全で検証可能で不可逆的な非核化』(CVID)を言うように、北朝鮮も完全で検証可能で不可逆的な政権の安全保障の約束を望んでいる。金委員長が『核放棄』と『非核化』を挙論した後、北朝鮮と米国は共にこの用語を使っている。朝米の概念差を狭めなければならない。それが今後の韓国の役割だ」
-中国の役割は?
「安保面で北朝鮮により多くの自信を植え付け、金委員長が勇敢に一歩進めるようにしなければならない。北朝鮮により多くの勇気を与え、国際社会に加わらせる役割だ。いかなる状況でも支える“後だて”になることだ」
-北朝鮮は中国式の改革・開放を追求するだろうか?
「北朝鮮は閉鎖性を認め以前の秩序を否定する“改革・開放”という用語の代わりに“調整”という表現を使っている。中国のみならずソ連・ベトナムなどの種々のモデルを参考にして、自国の政治・社会の実情に合う“北朝鮮の特色が入れられた調整”を追求しうる。外部の思想が急激に流入すれば、北朝鮮の脆弱な経済と社会に衝撃を与えかねず、国家と社会がうまく対処しなければならない。これをどうやり遂げるかが今後重要な課題になるだろう。そうした面で中国共産党が社会を導く方式、特に党の指導が強化される最近の流れは、北朝鮮が自信を持つ根拠になりうる」