文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の4・27首脳会談を控えて5日、儀典や警護、報道に関連した南北実務会談が開かれた。首脳会談が板門店(パンムンジョム)の韓国側の「平和の家」で開かれるだけに、金委員長がどんな方法で軍事境界線を越えるかを始めとした主要な関心事が議論されたと見られる。首脳会談を生中継するか、両首脳が一日で何回会うのかも気になる部分だ。金委員長が夫妻で現れるかも関心事だ。金委員長夫妻が軍事境界線を共に歩いて越え、文大統領夫妻がこれを迎えるとすれば南北和解にこれより良い象徴はないだろう。首脳会談は一日だけ開かれるが合意しなければならない問題は多いため、必要ならば何度でも追加で会い、最善の結果が得られるよう万全の準備をしなければならない。
今や「朝鮮半島の春」は爛漫だ。南の芸術団の平壌(ピョンヤン)公演で南北の間に情緒的な親しみも深くなった。北は前例なく暖かく積極的な態度で南の芸術団をむかえた。文化交流が凍った心を溶かして冷戦の壁を崩す大きな力ということを立証した。
しかし一部では、首脳会談を控えて南北和解の雰囲気が広がっていくことは適当ではないかのごとく、冷水を浴びせるのに余念がないような様子が見える。南北合同公演をめぐって自由韓国党が4日に出した論評は、公党の論評というにはあまりにも品位に欠け、眉をひそめたくなる。「朝鮮半島の春がくると大騒ぎしているが、アヘンで白昼夢を夢見るアヘン長寿の春にすぎない」というのは、論評ではなくて呪いに近い。朝鮮半島の春を何とか逆回転させようとする、時代錯誤的なごり押しと意地の悪さだけが感じられる。
一部の保守マスコミが北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長の謝罪発言を非難したこともあきれる。キム副委員長が北朝鮮訪問の芸術団の初日公演で南のマスコミの取材を邪魔したことに対して「謝罪」したことは過去には見られなかった態度だ。それなのにキム副委員長が自身を「南で天安艦爆沈の主犯と言われる金英哲」と紹介したことを、言葉尻を捉えて「天安艦をもてあそんだ」と非難しているのは行き過ぎだ。
南北首脳会談は両国の安全と危機がかかった歴史的な出会いだ。朝鮮半島冷戦構図を克服して平和を呼び寄せることに左や右、保守や進歩などの違いはない。健全で代案のある批判ではなく足を引っ張るような非難は、国民の支持を得ることはできない。