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[社説]北朝鮮への特使派遣で米朝対話に向けよ

登録:2018-03-01 07:34 修正:2018-03-01 10:55
文在寅大統領が25日、江原道平昌のオリンピックスタジアムで行われた2018平昌冬季五輪の閉会式でビンセント・ブルックス在韓米軍司令官と握手している。後列の右側は金英哲労働党中央委員会副委員長兼統一戦線部長=平昌/大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 平昌(ピョンチャン)冬季五輪を機に南北関係は明らかに変わっている。しかし、核問題解決のために必要な北朝鮮と米国の対話は相変らず停滞状態だ。両国とも前向きな姿勢を見せないためだ。米国務部は27日に両国対話のための「適切な条件」として非核化に言及し、「最大の圧迫」を堅持するという意思を繰り返した。こうしたなか、北朝鮮は2012年から昨年まで化学兵器製造に使用可能な物資をシリアに送ったとニューヨークタイムズが国連の対北制裁委員会報告書を基に27日報道した。北朝鮮とシリアの協力は昨年の報告書にもあったもので新しいものではない。しかし「核拡散」を憂慮する米国の行政府と議会の対北強硬派が声を高める口実を与えかねない。

 また、トランプ政権の代表的な柔軟派の国務部のジョセフ・ユン対北朝鮮政策特別代表が引退を明らかにし、政権内の強硬派がさらに勢いづくのではないかという心配がされている。さらに3月18日にパラリンピックが終わると、延期になっている韓米合同軍事演習再開の可能性も高い。

 マーク・ナッパー駐韓米国大使代理は28日「更なる延期の可能性はない」と明らかにした。平昌五輪を契機に南北関係改善の展望は明るくなったものの、朝鮮半島の動静は相変らず不安な状態を抜け出せずにいる。

 米朝間の仲裁の役割を韓国が積極的に引き受けていることは、現在としては唯一の突破口になるばかりだ。パラリンピック後から韓米連合演習再開までの間、米朝の接触に関連する最小限のきっかけでも作り出すことが迫られている。このために政府は答礼訪問の形の対北朝鮮特使、そして対米特使を送るなど、最善の努力を尽くすべきである。結局焦点は非核化問題に合わさざるを得ないと見られる。北朝鮮は非核化に向けた最小限の誠意は見せなければならない。米国は対話のテーブルにつく条件を低くして、非核化を対話の入り口でなく出口とする戦略的な柔軟性を見せるべきだろう。

 北朝鮮も米国も韓国が思い通りにできる相手ではない。そのため韓国政府の米朝対話仲介が成功するという楽観はできない。しかし、わずか二カ月前に南北関係が今のように進展して緊張を和らぐなど、誰が想像しただろうか。文在寅(ムン・ジェイン)政権は朝鮮半島の平和のために与えられた歴史的責務を尽くさねばならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/834115.html韓国語原文入力:20180-2-28 18:04
訳T.W

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