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ポスト平昌…文大統領、“対米”より“対北朝鮮特使”を先に送る見込み

登録:2018-02-28 23:34 修正:2018-03-01 07:07
「文大統領の提案に北からの答が出てきてこそ 
それを持って米国と話すことができる」 
提案内容は“朝米会談の条件”と推定 
北朝鮮、戦略的方向決定に時間かかる見込み 
 
「先対米特使・後対北朝鮮特使」の主張には 
「米国とは常時交流…特使は不要」
文在寅大統領と夫人のキム・ジョンスク女史が25日、江原道平昌冬季五輪メインスタジアムで開かれた閉会式で、外賓と共に国民儀礼をしている。イバンカ補佐官と金英哲委員長は挨拶を交わさなかった=平昌/写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が平昌(ピョンチャン)冬季五輪閉会式に出席するため訪韓した北朝鮮側代表団を通じて提案した「非核化方法論」に対する関心が高まるなかで、大統領府は北朝鮮側がこの提案に対する分析を終えた後に出す応答に注目していると伝えられた。一角で提起された「先対米特使、後対北朝鮮特使」の主張に対しても、北朝鮮の返事を先に聞かなければならず、その過程で必要ならば対北朝鮮特使を送るなり南北高位級会談をしなければならないという話も慎重に出ている。

 大統領府の高位関係者は28日、ハンギョレとの通話で「対北朝鮮特使を含めいろいろと検討している」としながら「問題を解く順序から見れば、文大統領の提案に北側が答を出してこそ、それを持って米国と話し合うカードができるだろう」と話した。別の大統領府関係者は「米国とは種々の経路を通じて常時的に情報を交流しているので、あえて特使を送る必要はない」と話した。カン・ギョンファ外交長官とレックス・ティラーソン米国務長官、チョン・ウィヨン大統領府安保室長とハーバート・マクマスター・ホワイトハウス国家安保会議(NSC)補佐官のラインを念頭に置いた話だ。一部の保守マスコミを中心に「先対米特使、後対北朝鮮特使」の主張でも、文大統領の緊急な訪米の必要性を提起する声が出ているが、大統領府内部の気流は違うということだ。

 大統領府が北朝鮮の応答を待っているという点から推し量ってみる時、韓国政府が対米・南北関係と北朝鮮核問題を直接管理している金英哲(キム・ヨンチョル)労働党中央委員会副委員長兼統一戦線部長の線では即答しにくい水準の提案をしたのではないかという分析もある。大統領府高位関係者は「北朝鮮側もいろいろと分析し、戦略的方向を決めるのに時間がかかると見る」として「文大統領の提案について具体的に話す訳には行かないが、とても新しい創意的提案というよりは、私たち皆が考えてきた大きな枠から外れない」と耳打ちした。大統領府内外では、文大統領が訪韓した金英哲副委員長に対し、北側がどんな条件で米国と直接対話する意向があるかなどを尋ねた後、それにともなう「非核化方法論」を提案したのではないかという話も出ている。

 大統領府が対北朝鮮特使を派遣するならば、その時点は文大統領の提案に対する北側の返事が用意された直後になると思われる。その場合、北側が対北朝鮮特使を要請する事もありえ、平昌五輪を契機に南北のさまざまな疎通窓口が用意されただけに高官級会談に直行することもありうる。

 問題は、平昌五輪を契機に開かれた対話の時間は長くないという点だ。平昌五輪とパラリンピックにより延期された韓米合同演習は、大きな変化がない限り4月に再開される可能性が高い。文大統領は3月末に海外歴訪を控えている。したがって、3月末以前に顕著な変化を引き出すことができないならば、南と北、米国および朝鮮半島周辺国のすべてにとって大きな負担にならざるをえない。

 最悪のシナリオは、この機会を生かせずに4月に軍事訓練が再開され、これに反発した北が挑発し、米国など国際社会はさらに強度の高い対北朝鮮制裁に出て昨年のように再び「戦争危機説」がふくらむことだ。反対に、北朝鮮側が核・ミサイル試験の中断を宣言し、朝米対話のためのより実質的な方案を提示した場合、朝米が実際に向かい合って座る好循環の入口に入る可能性もある。

キム・ボヒョプ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/834137.html韓国語原文入力:2018-02-28 20:07
訳J.S

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