平昌(ピョンチャン)冬季五輪女子アイスホッケー南北単一チームの構成が20日に最終決定された。また21日には、三池淵(サムジヨン)管弦楽団のヒョン・ソンウォル団長ら北朝鮮の芸術団の視察団7人が京義線の鉄路を通じて軍事境界線を越えて南側に到着した。南も23日、南北合同文化行事が開かれる金剛山(クムガンサン)と南北スキー選手共同訓練が進行される馬息嶺(マシンニョン)スキー場などに先発隊を送る。南北が一緒に行う平昌五輪が「平和五輪」として進む本格的な幕が上がったのだ。
単一チームの構成と合同入場の決定は、結果ではなく開始である。かつても北の選手・応援団の南側の訪問では何度も摩擦があった。さらに、李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)政権の9年間、悪化の一途を経てから持たれる南北の接触だ。不祥事がないよう万全を期しなければならないが、ささいな摩擦を強く恐れる必要もない。親戚でも長らく離れていた後に同じ場で一緒に過ごすと、もめるようになる。そのような過程を通じて、理解し距離をつめていくことができるのだ。
南北単一チーム、励まして暖かく対応しよう
今回の女子アイスホッケー単一チームは1991年の女子卓球や青少年サッカーに続いて27年ぶりになされる3度目の南北単一チームだ。しかし、一連の論争から分かるように、南北単一チームに対する世論は当時とは差が大きい。北朝鮮に対する認識が非常に悪くなっているためだ。2006年以後6回も核実験をするなど、北朝鮮が核の脅威を示すことを日常的に行っていたというのが大きい。対内的には、韓国社会において公正さに対する被害意識が高まり、合同チームの論争でも「上の人」の一方的な決定に無力な選手たちが被害を受けるのはでないかと心配しているためだ。
北朝鮮の五輪参加があまりに突然に決定されたせいもあるが、政府が協会や選手と早くから連絡を取り合って謙虚な姿勢で理解を求める努力が足りなかった失敗も大きい。しかし、この論争の過程で一部の野党政治家や保守言論の態度は度を越していた。あたかもうまく相手の弱点を捉えたかのように、推測や脚色で加熱させて火を焚きつけようとした姿は見苦しかった。単一チームの確定後、自由韓国党は「文在寅(ムン・ジェイン)政権の平壌(ピョンヤン)五輪宣言を国民と共に糾弾する」という声明を掲げている。五輪を成功裏に終えて南北が対話の局面に入るのではと考え、焦っているように見える。
今や山は越えた。単一チームにいまだに反対している者もいるだろう。しかし、これまで汗を流してきた選手たちの努力が無駄にならないよう国民が励まし、全てのことが慣れない北朝鮮のアイスホッケー選手たちを暖かく迎えてあげることがまずすべきことだろう。もう論争はしばらく収め、南北の選手たちが共に最善を尽くして、南北が共に応援する美しい姿を期待しよう。
北朝鮮も誠意ある姿を
北朝鮮の動きも心配される側面がないわけではない。北朝鮮は当初20日に視察団を送ることにしておきながら突然取り消し、再び翌21日に送ってくるなど混乱をきたしている。その際、わが方には何の説明もしなかった。外交的に納得しにくいだけでなく、交渉相手に非常に失礼だ。北朝鮮が大規模な選手団や芸術団を南側に送る理由が北の主張通り「南北関係改善」として進むようにするには、北ももう少し謙虚で誠意ある姿を見せなければならないだろう。それがまた南の同胞が心を開くことができる手段でもある。五輪を通じて握り合った南北の手が、五輪後の南北関係改善と朝鮮半島の平和につながるよう願ってやまない。