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[寄稿]北朝鮮の五輪出場合意

登録:2018-01-15 05:03 修正:2018-06-04 06:31
ジョーン・フェッファー米外交政策フォーカス所長

 最近、板門店(パンムンジョム)で開かれた南北会談の結果、北朝鮮が平昌(ピョンチャン)冬季五輪に参加することに合意した。

 ドナルド・トランプ米大統領さえもこのような事態への転換に興奮冷めやらぬ様子だ。トランプ大統領は文在寅(ムン・ジェイン)大統領に米国も北朝鮮と会談をする用意があると話した。

 多くの米国人たちは安堵をもらしている。ところが、なぜか多くの米国の朝鮮半島専門家たちは、南北間の協議をあまり歓迎していないようだ。

 ニューヨークタイムズ紙とワシントンポスト紙は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が南北会談にどのような隠された議題を持ち込んでいるのかに対する専門家らの寄稿文と分析を掲載した。

 このような論評を見る限り、北朝鮮の指導者は韓国と米国を仲違いさせることに関心を持っているだけだ。したがって、米国は南北会談を警戒しなければならないということだ。北朝鮮が南北会談を通じてトランプ政権を排除し、韓米同盟を危うくする合意文を引き出そうとしており、受け入れ難い譲歩を文在寅政権から勝ち取ろうとするはずだからだ。

 例えば、アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所(AEI)のニコラス・エバースタット研究員は、ニューヨークタイムズ紙に「北朝鮮は国際的な対北朝鮮の非核化に向けた圧迫攻勢の最も弱い環が韓国だと見ている」としたうえで、「北朝鮮に振り回されてはならない」と韓国に求めた。

 実際、そして当然、北朝鮮は韓国と米国を“仲違い”させようとしている。しかし、これは地政学ではよくあることだ。米国が中国に外交的な門戸開放を図っていた1970年代に、リチャード・ニクソン政権は中国とロシアの関係にヒビを入れようとしていた。

 そのうえ、北朝鮮は長い間このような“仲違い戦略”に依存してきた。冷戦時期には中国とソ連を互いに競争するように仕向けることで、最善の結果を引き出そうとした。北朝鮮は1990年代には韓国や日本、米国を相手に同じことを試みた。北朝鮮は、特定の国家に独自で立ち向かえるほど強くない。北朝鮮にとって“仲違い戦略”は弱者の武器だ。

 北朝鮮が正常な地政学的活動をするのはよいことだ。それは、韓国や日本、米国を飛ばしてしまうと脅かすことより、はるかにましだ。ところが、北朝鮮が南北対話の提案のように比較的正常なことを試みているにもかかわらず、多くの米国の専門家らはこれを悪意と見ている。

 また、北朝鮮が韓米間の“仲違い”を狙っているという主張は、韓国には賢い兄である米国の入れ知恵が必要であり、韓国は独自で北朝鮮と効果的に交渉することができないという考えを内包している。これは非常に侮辱的な態度だ。

 特に、現在ホワイトハウスの主である人物のことを考えれば、それはさらに尊大な態度だ。トランプは米国近代史で最も気まぐれで、いらいらしやすく、非外交的な大統領だ。したがって、韓国が北朝鮮との対話で主導権を握って北朝鮮の核計画に対する交渉の土台を準備する方が、より安心できる。

 実際、文在寅政権は最近の南北間交渉を非常に効果的にこなした。また、米国政府から冬季五輪が終わるまで軍事演習を延期するという約束を引き出した。

 ならば、北朝鮮はなぜ急に韓国との対話と五輪への参加に関心を示したのだろうか。北朝鮮は、究極的に米国にメッセージを送っているのだ。北朝鮮もトランプが注目を浴びたがることを知っている。北朝鮮は、韓国と接触することがトランプ政権が交渉のテーブルへ戻るように誘引するのに役立つと考えている。

 対北朝鮮対話に懐疑的な専門家らは、金正恩が核兵器プログラムを開発するため、時間を稼ごうとしているだけだと見ている。そうかもしれない。しかし、現時点でも、北朝鮮は抑止力を発揮できる、信頼できるプログラムを十分に保有している。

 したがって、南北間の最近の合意は懐疑的な観点だけでみるのではなく、むしろ祝福すべき出来事だ。北朝鮮が兵器より言葉を使うことにした時、大言壮語より交渉を選ぶことにした時、信頼構築プロジェクトを協議するため(交渉のテーブルに)座った時、米国の専門家らは仲違いについて語るのを止めなければならない。代わりに、斬新で、より平和的な経路の建設に向け、米国にできることを考えなければならない。

ジョーン・フェッファー米国外交政策フォーカス所長(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/827699.html韓国語原文入力:2018-01-14 21:03
訳H.J

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