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[社説]「#MeToo」拡散が韓国社会に語るもの

登録:2017-10-21 06:40 修正:2017-10-21 10:14
ソウル市龍山区の淑明女大学校内の掲示板に貼り出されたされた掲示物//ハンギョレ新聞社

 最近、米国ハリウッドの大物制作者ハーヴェイ・ワインスタインの30年余りにわたる性犯罪疑惑が赤裸々にさらけ出されたのには、アシュレイ・ジャッドをはじめとした被害を受けた女優らの勇気ある証言が起爆剤となった。これを機に始まった性的暴力の告発キャンペーン「Me Too」(#MeToo)が全世界的に爆発的な反応を得ているのは、これが特定産業界や特定の社会に限られたことではないという点を雄弁に語る。

 15日、米国の女優アリッサ・ミラノが「私もやられた」という意味の「Me Too」にハッシュタグ(#)をつけてSNSに上げようと提案して以来、全世界で関連ツイッターの掲示物は130万件を超えた。一昨日はオリンピックで体操の金メダリストのマッケイラ・マロニー、女優のリース・ウィザースプーンなどが、10代の頃チームドクターや制作者からセクハラを受けた事実を公開した。強力な男性中心の権力構造のために息を殺してきた人々が「これ以上我慢できない」とし、相次いで名乗り出ているのだ。

 韓国でも昨年の江南(カンナム)駅殺人事件以降、「#たまたま生き残った」がSNSを通じて拡散し、数万枚貼られた付箋の前で女性たちの公開発言が続いた。犯罪の原因が統合失調症か、それとも女性嫌悪かという議論とは別に、当時この事件は韓国社会の性差別構造と性暴力の問題を公論の場に導き出した。

 最近、淑明女子大学に教授らの性差別発言の事例が掲示物で貼りだされるなど、大学内の教員たちの性差別的認識に対する問題提起が相次いでいるという。東国大学総女学生会は、授業の最中に行われるヘイト・侮辱発言について情報提供を受ける「講義モニタリング」を数カ月前に行い、成均館大学・漢陽大学は今年から講義評価に教授らの性差別発言や行動があったかを問う質問を追加した。「水原(スウォン)女性の電話」は大学生・大学院生とともに大学内のセクハラ・性的暴力の対応マニュアル「17年入学キム・ジウン」を作り公開している。

 米国の「#Me Too」ブームと韓国大学街の変化は、性差別構造や性的暴力問題を公論化しなければ解決できないという認識が高まっていることを示すものだ。国外では「#Me Too」に呼応して自分の加害事実を告白する「#私がした」(IDidThat)キャンペーンが始まったという報道も出た。淑明女子大学の掲示物にある女性教授が発した性差別発言の事例も含まれているように、これは男女の対決として捉えるべき問題ではない。より多くの声が連帯する時、世の中は変わる。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/815391.html 韓国語原文入力:2017-10-20 18:21
訳M.C(1166字)

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