登録 : 2017.09.27 21:49 修正 : 2017.09.28 08:19

ソン・ヨンム国防部長官が今月14日午後、国会で開かれた国防委員会で、議員たちの質疑に答えている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社
 相次ぐ突出発言で大統領府から公開警告を受けたソン・ヨンム国防部長官が、一瞬にして保守の英雄に浮上した。野党はもちろん、保守マスコミは連日記事とコラムを通してソン長官に対する鼓舞激励に熱を上げている。さらに、保守論客を自任するある人は「ごみ箱に咲いたバラ」という恥ずかしくて口にできない表現まで動員して、ソン長官をほめたたえた。このような称賛に、ソン長官が気分が浮かれているのか、あるいは困っているのかは分からないが、とにかく文在寅(ムン・ジェイン)政府としてはまったくきまりの悪い状況に違いない。

 ソン長官の見境のない突出発言は、すでに長官候補者時期から感知されていた。大型法務法人で毎月3千万ウォン(約300万円)ずつ総額10億ウォン近い諮問料を受け取っていたことを“説明”すると言いながら、「庶民には理解し難い、そのような世界がある」と発言したことはまだ記憶に生々しい。そうした統制不能の言語駆使習癖が結局、ムン・ジョンイン大統領統一外交安保特別補佐官に向けられた過度な人身攻撃で再演されたわけだ。

 ソン長官のさらに大きな問題点は、文在寅(ムン・ジェイン)政府の統一外交安保政策の基調と異なる勝手な行動だ。戦術核の再配置、対北朝鮮人道的支援決定に反対するなどの発言は、単純に不適切発言の次元を越えてきわめて致命的であり本質的だ。事実、対北朝鮮平和政策に対する軍の抵抗と反感は、歴史的に根が深い。1989年3月、陸軍士官学校の卒業式場で一心会出身のミン・ビョンドン陸軍士官学校長が、政府の北方政策と対北朝鮮宥和政策を非難し、盧泰愚(ノ・テウ)当時大統領に敬礼さえしなかった事件はまだ人々の記憶に広く残っている。ミン校長の行動は、軍出身要人の南北問題に対する認識の限界と洞察力不足を明確に示す例だが、保守勢力は「苦言を呈する勇気」「軍人らしい行動」と称賛してきた。その後、金泳三(キム・ヨンサム)-金大中(キム・デジュン)政府を経ながらも、軍は大規模軍事訓練や南北陸路交通工事の妨害などで対北朝鮮平和政策にその都度抵抗してきた。そうした観点で見れば、ソン長官は文在寅政府の外交安保政策の忠実な執行者である以前に、軍の伝統的固定路線に忠実な人物といえる。ソン長官に対する保守勢力の称賛もまたそっくりだ。(参考までにミン・ビョンドン氏は今でも“セウォル号暴力糾弾愛国市民決起大会”などの集会に常連演説者として出てきている)

 執権勢力が政策的成功を収めるには、三つの条件が重要だと学者は話す。第一は、大統領の確固たる哲学と信念、第二はこうした信念と哲学を実現するための制度的装置、第三は執権勢力の人材集団だ。特に該当部署に対する統制力を維持しながら、大統領の政策意志を確実に実現する人材(これを学術的には“媒介要人”とも呼ぶ)の登用は、執権勢力の成功のために必須だ。そうした視点で見る時、ソン長官はもちろん現政権の外交安保チームの人々に果たして合格点を与えられるか、きわめて疑問だ。文在寅大統領が外交安保ラインに「創意的発想」を注文している状況で、韓国の外交安保チームの「創造力点数」を付けてみれば、一層心苦しくなる。

 政府の外交安保の指令塔というべき大統領府国家安保室からしてそうだ。首長を受け持っているチョン・ウィヨン室長は、果たして確固たる組織掌握力、幅広い政策調整手腕、創意的戦略創出能力を備えているのか。既存の韓米同盟強化の他には明確な解決法を提示できない限界を如実に露出している。文大統領のメッセージ混線は、北朝鮮の度重なる核挑発、米国の強硬対応という外部的な難しい環境を考慮してもなお、外交安保チームの頑張りと力量が不足した結果だ。

キム・ジョング編集人=資料写真//ハンギョレ新聞社
 論議の焦点になった「北朝鮮の核・ミサイル活動中断と韓米合同軍事訓練の縮小」、「斬首部隊の創設」問題などに対する大統領府の対応も同じだ。大統領府がすべきことは、ムン特別補佐官とソン長官に事後警告状を発することではない。いわゆる「双中断」が朝鮮半島の危機解決の突破口を開く創意的解決法ではないのかを、内部で激しく討論し合意を引き出すことだ。また「斬首部隊」という聞くだけで背筋が寒くなるような部隊が、目標実行の現実的能力もないままに訳もなく混乱だけを引き起こし、南北関係を一層悪化させる“悪手”ではないのかなどをていねいに見回して措置を下すことも安保指令塔がすることだ。こうした能力もないくせに既存の政策の踏襲に留まり、後から慌てて警告状を出す外交安保チーム、ろうそく政府にふさわしくない突出行動を見せる国防長官らが席を守っている限り、朝鮮半島の危機終息のための創意的解決法は永遠に導き出せない。

キム・ジョング編集人 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017-09-27 19:29
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/812801.html 訳J.S(2096字)
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