本文に移動

[社説]国防部のTHAAD報告漏れ、故意なら責任問うべき

登録:2017-06-01 04:57 修正:2017-06-01 09:16
国防部がTHAAD発射台4基の追加搬入に対する報告を怠り波紋が広がるなか、31日午後、ハン・ミング国防部長官がソウル龍山区の庁舎を出ている=キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

 THAAD(高高度防衛ミサイル)発射台4基の追加搬入に対する国防部の報告漏れの過程は、理解に苦しむことの連続だ。31日、大統領府の中間調査の結果によると、国防部は大統領府国家安保室長報告用の草案に「6基発射台、某(米軍)キャンプに保管」という文言を明記していたが、26日に最終報告書から外した。また、ハン・ミング国防部長官は28日、チョン・ウィヨン安保室長が「THAAD発射台4基が入ったそうですが」と訊くと、「そのようなことがありましたか?」と問い返した。30日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の電話を受けてから、「4基追加搬入」の事実を確認したという。

 ハン長官はチョン室長との対話について「コミュニケーション過程上の誤解」という趣旨の釈明をした。ハン長官や国防部が悔しく感じる部分もあるだろう。しかし、どんなに言い訳を並べても、国防部がTHAADについて次期政府に明確に報告しなかったという事実は明らかだ。

 THAADは導入決定当時からこれまで、「とりあえず隠そう」とする隠蔽と非公開の連続だった。今回の国防部の報告漏れ事件もTHAAD導入初期から政治的論議を避けようとする“THAAD秘密主義”に起因するところが大きい。また、朴槿恵(パク・クネ)政権のTHAAD導入の主体が、国防部ではなく、大統領府ということは誰もが知っている事実だ。ところが、キム・グァンジン元大統領府国家安保室長はTHAADについて、後任の大統領府に何の資料も渡さなかった。導入の時から“密室決定”を進めていたが、政権が変わっても隠蔽を続けている。

 THAADに対する新政府の立場は以前の政府とは異なる。ハン長官は前政府で任命されたが、現在でも長官職を維持している。国防長官は政権ではなく政府の一員であり、国家の連続性レベルでも、新政府の国軍統帥権者にTHAAD関連内容を明確に報告しなければならない。それでこそ、新政府もTHAAD関連対策をきちんと立てられるのではないか。国防部は大統領府とは別々に動いている別種の組織なのか。

 「すでに4月にマスコミに報道されたから、知っているのではないか」、「国防部の軍紀立て直しなど、他の目的があるのではないか」という主張は、その次の問題だ。大統領府が強硬な姿勢を示しているのは、政治的な目的のためかもしれない。また、新政府発足から20日も経ったのに、予め確認しなかった大統領府の責任も全くないとは言えない。しかし、問題解決の糸口は国防部がどうして報告を怠ったのかから見つけていくべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/797029.html 韓国語原文入力:2017-05-31 18:10
訳H.J(1202字)

関連記事