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[コラム]「反日」について

登録:2017-05-25 23:34 修正:2017-05-26 06:52
日本国旗//ハンギョレ新聞社

 韓国大統領選挙を扱う日本マスコミの報道を見て、喉に骨が刺さったような感じを受ける単語があった。「反日」だ。朴槿恵(パク・クネ)前大統領弾劾以前の昨年末、日本のある放送会社が韓国大統領選挙が再び行われる可能性を念頭に置いて有力候補たちを分類した。文在寅(ムン・ジェイン)候補は「若干反日」、李在明(イ・ジェミョン)城南市長は「反日」、潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長は「若干親日」というレッテルを付けた。私が日本に来た3月以後、韓国大統領選挙が確定すると、日本マスコミの反日レッテル貼りはほとんど毎日見ることができた。先月初めには、読売新聞が当選有力人物に浮上した文在寅当時候補に対して「日本を知らない反日」というタイトルの記事を掲載した。文在寅大統領の当選後、産経新聞は「反日政権の衝撃」というタイトルをつけた記事を出した。

 一部の日本マスコミが反日に敏感な理由として安保の不安感も作用しているという解説がある。韓国では進歩側に分類された候補が執権すれば、日本との関係が遠ざかり日本が脅威と感じる北朝鮮に近づこうとするのではないかと憂慮するという話だ。最も関心がある韓日「慰安婦」合意に対して進歩候補も保守候補もそろって懐疑的な態度だったのに、新政府のスタート以後、進歩候補に分類された文在寅大統領に「親北」「反日」というレッテルが唯一多くつけられた理由には、日本の安保不安が位置している。「反日」の前にほとんど「親北」という修飾語が付く理由がここにあると指摘する日本人もいる。実際、反日という修飾語がついた日本マスコミの記事では、韓国の新政権が北朝鮮に融和的になるのではないか、または韓国の新政権発足で対北朝鮮包囲網に穴があくのではないかという内容を載せたところが多い。もちろん、すべての日本マスコミが反日レッテルを貼ったわけではない。日本の朝鮮半島専門家たちも、韓日関係の改善に役立たないという面などで批判する場合が多い。

 それでも、相変らず「反日」という単語に抵抗感を感じる理由は、「反日」が日本に反対すること自体が悪いというニュアンスを漂わせるためだ。韓日関係がずっと良好であるならば、それほど良いことはないだろう。だが、韓国と日本は互いに別の国なので、意見が違って軋轢があることが事実自然だ。誰かが自分に反対意見を出してきて軋轢が生じることは、気持ちの良いことではないが、ありえることではないか。互いに意見が衝突し、時には葛藤することが自然なことではないか。そしてさらに重要なのは、何が人類普遍の価値に符合するかという価値の問題ではないかと思う。そうした意味で、誰に反対し誰とさらに身近になるかということ自体が価値を持つのではないと見る。

チョ・ギウォン東京特派員//ハンギョレ新聞社

 韓国の新政権が発足し、韓日間の関係改善努力が続いている。文在寅大統領の特使が日本を3泊4日の日程で訪問し、日本に対して首脳外交の形式に束縛されることなく、もう少し自由に話を交わせる“シャトル外交”を提案した。国交樹立後としては最悪と言われる韓日関係は、一応小康状態に入ったように見える。日本のマスコミでは、イ・ナクヨン首相候補者が東京特派員出身であり韓日議員連盟で活動した“知日派”だとして、期待感を表す報道も出ている。文在寅大統領に反日のレッテルを付けた報道は徐々になくなってきている。しかし、韓国も日本もお互いの異見と葛藤を認定できないならば、関係改善はそれほどたやすくはなされそうにない。

チョ・ギウォン東京特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/796281.html 韓国語原文入力:2017-05-25 19:09
訳J.S(1592字)

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