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[社説]LA少女像判決に沈黙する韓国外交部の屈辱

登録:2017-03-30 22:22 修正:2017-03-31 06:42
2013年7月31日、米カリフォルニア州グレンデール市立中央図書館前に建てられた「平和の少女像」。太平洋戦争当時の日本軍慰安婦被害者の悲劇を告発する少女像が外国に建てられたのはこの時が初めてだ//ハンギョレ新聞社

 米国連邦最高裁が27日、カリフォルニア州グレンデールに設置された「平和の少女像」撤去を要求する日系極右団体の訴訟を棄却した。米国の韓国人団体が「慰安婦」被害者の痛みを記憶し日本の戦争犯罪を告発しようと建設した少女像に対する日本の執拗な妨害工作に終止符を打ったのだ。

 2013年7月に建設されたグレンデール少女像は、外国に設置された初めての「慰安婦」少女像だ。2014年2月、正体不明の日系極右団体がロサンゼルス連邦地方裁判所に撤去訴訟を提起して法廷闘争が始まった。裁判所は1,2審で共に原告敗訴判決を下したが、この団体は訴訟を最高裁まで引っ張った。日本政府も米連邦最高裁に第三者意見書を提出し「少女像は米日同盟に害を及ぼす危険がある」という脅迫性の主張まで展開した。菅義偉官房長官は判決直後の28日、定例ブリーフィングで「極めて遺憾」と論評した。

 韓国外交部のチョ・ジュンヒョク報道官は同日、定例ブリーフィングで「韓国政府の立場があるか」という質問に「米連邦政府と地方政府間の権限問題に関する法的争点に関連した事案」とし「(外国の)裁判所判決に韓国政府として意見を出すことは適切でないと見る」と答えた。29日、中国外交部の陸慷報道官は定例ブリーフィングで同じ質問に対し「判決に賛成する。慰安婦を強制動員した第2次大戦当時の日本軍国主義の厳重な反人道的犯罪だ」と述べた。韓国と中国の政府報道官論評がさかさまになったようだ。 少女像を中国が建設したのか、我が同胞が作ったのか、こんがらかるほどだ。

 韓国政府がこのように「川向こうの火事見物」のような姿勢を取るのは、「12・28慰安婦合意」を意識したためと見える。合意案には「国際社会で慰安婦問題に関して相互に非難を自制する」という内容が入っている。しかし、日本政府は米連邦最高裁に少女像撤去意見書を提出しており、判決後には「遺憾」を表明し、今後も継続的に立場を出すと公然と騒いでいる。加害者と被害者が逆転したようだ。

 在外同胞が十匙一飯でお金を集めて少女像を設置し、日本の極右団体の訴訟にまきこまれ3年間苦しんでいる時、グレンデール市議会は「少女像を守る」と言い、現地の法律会社の弁護士は無料で弁論に立った。その間、韓国政府は何をしていたのか。今は少女像判決に「歓迎する」という一言も言えない。被害者には申し訳なく、国際社会には恥ずかしい。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/788682.html 韓国語原文入力:2017-03-30 17:48
訳J.S(1115字)

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